「さよならの朝に約束の花をかざろう」

 2018-03-14
岡田麿里の初監督作品、『さよならの朝に約束の花をかざろう』 を、レイトショーで観てきました。
他の映画に行った時の予告編でいた映像、そして事前情報で得ていた物語のあらまし、更に本職が脚本家である彼女の初監督、ということで、そこまで期待はせずに劇場に足を運んだというのが、率直なところです。
まぁ、制作が P.A.WORKS なので、美しい画を堪能できるであろうことは、ほぼ確定的でしたから、それを大画面で楽しむという意味でも、映画館に行く意味はあるかな、と。

で、実際に見てみた感想なのですが……

いや、これは、想像していた以上にいい作品でした。
まず、画の美しさは想定内とはいえ、やはり劇場のスクリーンだと格別です。
そして、演出もいい感じに決まっています。
印象的な構図のカットが多かったですし、各キャラクターの、それぞれの局面における表情や動き、声の演技が、なかなかに優れモノでした。
話の根本的なところは非常にベタです。
それに、映画というフォーマットなのに作中で流れる時系列の長いストーリーでもあります。
それはつまり、下手をすればそのせいで散漫になってしまいかねないということになるのですが、丁寧でしっかりとした細かい描写と演出が全体を見事にまとめ上げていて、1つの、しっかりとした流れのある物語として、かなり高い完成度を作り上げていると感じました。

登場人物たちの行動に納得がいくかどうか、共感ができるかどうか、そこまで行かなくとも理解ができるかどうか、そこがちょっとしたハードルになる、というようなこともあるかもしれません。
男性にはわかりにくいが、女性には腑に落ちる、という意見もあるようです。
ともあれ、観る人によって様々な感じ方、解釈をすることができる作品であるということは、間違いのないところでしょう。

川井憲次の劇伴も、ラストのエンドロールで流れた主題歌も、良かった。
総じて、大満足のできる作品でした。

これに関しては、できるだけ事前情報を排した状態で観るのが正しいと思うので、ここでの紹介もここまでにしておきますが、公開が続いているうちに、絶対に映画館に足を運ぶべきだと思います。

サントラ、買おうかな……?


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「中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」

 2018-01-30
急にぽっかりと時間が空いたのと、これまで2つのTVシリーズも全て観てきたのだし、一応、劇場に行っておいた方が、もしかしたらいいのかなぁという、やや消極的な動機から、アニメ映画 『中二病でも恋がしたい! -Take On Me-』 を観ていました。

で、その感想なのですけれども、ロードムービー的な作品として観ていく分には、まずまず面白いと思います。
これまでのシリーズを観てきていて、登場キャラにそれなりに親しみや思い入れがあるのであれば、随所に盛り込まれたユーモラスな会話などにクスリと笑うこともできるでしょう。
娯楽作品として、作品のファンを対象に作った作品としては、悪い出来ではないと言って良いのではないでしょうか。
ただ……何でしょう、どうにもこうにも、「これって、セカンドシーズンの放送も終わって4年も経つこのタイミングで、わざわざ新作映画を作ってまで描かなければいけなかった作品なのか?」という違和感がぬぐえませんでした。
結局、映画1本を使っても主人公たちの成長はそんなに無いですし、そもそもそういうところに軸足を置いて作られた者でもなさそうですし、とどもつまり、ファンムービー以上のものにはなっていないな、という。
そういう映画であれば、公開すべきタイミングは、せめてあと2年は前だったのではないのかなぁ。

もちろん、これはあくまで私個人の勝手な感想に過ぎません。
劇場で私の隣に座っていた男性は、映画の開始から最後まで、終始、実に嬉しそうに楽しんでいらっしゃいましたし、私のように感じているのは極めて少数派……というか、異端といってもいいくらいなのかもしれません。

とはいえ、その違和感を抜きにすれば、一定の水準を超えて楽しめる映画だったのも確かなことです。
そういうところも合わせると、これをどのように評価すべきか、なかなか迷わされる作品だったともいうことができそうです。
うーん。
どう消化すべきなのかな。


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今期開始アニメ 雑感 その2

 2018-01-18
2018年冬クールの新作アニメの第1話を見ての雑感、今回は、その第2弾です。

1) ヴァイオレット・エヴァーガーデン

ベタといえば、かなりベタな、オーソドックスなテーマの作品ですね。
それを、丁寧な語り口と演出、綺麗なビジュアルで淡々と描いているな、というのが、第1話の最大印象。
意外性は無いとしても、このままこのクオリティーを保ってこの感じで1クールを描いてくれれば、それだけでなかなかの佳作にはなりそうな、そんな気がしています。
ラストシーンがどんなものになるかまで思い浮かべることができますが、さて、その想像は、当たるのでしょうか、それとも外れるのでしょうか。

2) ハクメイとミコチ

原作の持ち味を上手く画面に再現することができていた、かな?
徹底して待ったりしたテイストで進む作品ですから、その点を他の視聴者がどう受け止めるかがちょっと不安なところでもあったのですけれども、今のところ、原作未読の人にも概ね好評に受け入れられているようなので、それは良かったなぁと、ほっとしています。
別に私は 『ハクメイとミコチ』 の関係者でも何でもないのですけれど、連載開始当初から好きな作品だけに、ここで変なアニメ化がされてコケてしまうようなことになるのは嫌だな、と思っていたのです。
物語は、基本、こんな感じで何ということも無く進んでいくわけですが、第1話のクオリティーを落とさずに作り続けてくれていれば、そうそう変なことにはならずに済みそうですね。

3) BEATLESS

キャラクターデザインがもっとクールで硬質な感じになってくれていた方が、この作品に対して私が持っているイメージには合っていたかなぁ……
human Interface Elements(hIE)とかレッドボックスとかの説明は第2話以降として、状況をガッと描いて視聴者の興味を引き付けようというのであれば、これはこれでアリなのかな、という第1話でした。
要素要素に、ラノベ的な、いかにも萌え系な要素をぶちこみつつ、実際に繰り広げられるのは、かなりハードでシリアスな、人とAIの物語であるというのが、原作 『BEATLESS』 だったと記憶しているのですけれど、その辺りが、今回のこのアニメ化でどこまで描かれるのか。
個人的には、視聴率だの円盤の売上だのを気にしないで、ただ原作のテーマに殉じて極北まで行ってほしいと思わないでもないのですが、アニメ制作というのは経済活動ですし、ウケとかセールスというのは意識しないわけには行かないわけで、さて、このアニメ化がどこまでのものになるのか、とりあえずは、お手並み拝見かなぁという感じ、でしょうか。

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今期開始アニメ 雑感 その1

 2018-01-12
2018年冬クールの新作アニメ放送が始まりました。
番組改編期はいつものことですが、終わった番組と始まった番組の簡単な感想を書くのが、このブログでの「お約束」の1つとなっています。なので、今回も、そのパターンを踏襲しようと思います。
終わった番組の感想は既に済ませているので、今回は、新番組の方を、これもいつものように、私が録画データを視聴した順番に。

1) 宇宙よりも遠い場所

どんなものになっているか、興味半分で観た第1話だったのですけれども、いいですね、これ!
彼女達は今後、何らかのきっかけで南極に行けることになるのだと思いますが、その「きっかけ」をどれだけ自然に描けるかとか、キャラクターの造形を、どれだけあざとさのない自然な感じにできるか、が、今後、この作品がどのような方向に転がるかのキーポイントになりそうな気がします。
個人的には、徹底したリアリズムも大歓迎、とはいえ、実際そこまでというのは難しいとして……あまり「萌え」方向を強調しないで、程よい辺りのバランスで行ってくれれば、なかなかの感じに仕上がるのではなかろうかと思います。
今後にかなり期待できそうな出だしでした。

2) からかい上手の高木さん

手堅く作ってあるなぁという印象です。
必要以上に萌えに走らず、地方の中学生の何気ない(と、言ってしまえるかどうかは微妙ですが)日常を描いてく。
どうやら、取材協力として挙げられていた土庄町というのは、私は知らなかったのですが、小豆島にある町で、原作者の出身地らしいですね。
基本的に、ひたすら中学生2人がイチャイチャしているだけの作品ですので、1クールを飽きさせずにいけるかは、ちょっと心配なところです。

3) りゅうおうのおしごと

その一方で、思い切り萌えに振ってきたのが、こちらの作品。
それが悪いとは私も言いませんけれども、ちょっとやり過ぎではないかと思うところが、無きにしも非ずな第1話でした。
原作の持つ、勝負に賭ける棋士たちの熱さ、苦しみといったものを、どこまで描けるかが、この作品の評価を分けるポイントになりそうです。
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今季終了アニメ 雑感

 2018-01-02
新年早々のエントリーとしていきなりこういう話をするのは、一般的にはどうなのかというところでしょうが、そこをどうこう考えるのも今更ですよね。
このブログは自分が好きなことを好きなように書きなぐっていくというのがコンセプトですので、この際、そこは気にしても仕方ないのではないかな、と。

要は、例年は年末年始はそれっぽいものを投稿していたのですが……今年は、その準備をする余裕がなかったのです。
なので、2018年最初のブログは、この話題から。
そう、昨年末で放送が終わったアニメの、最終回を見ての感想です。

1) 宝石の国

雰囲気はバッチリ出せていましたし、全体的な完成度は非常に高い作品でした。
しかし、原作が完結していないものを、しかも1クールだけの放送ということで、「物語を描く」ということには、おのずと限界が出てきてしまいます。
この『宝石の国』も、結果、非常にいいところで、中途半端に終わることになってしまったので、そこがいかにも消化不良でならないのが、非常に残念です。
アニメとしては、かなりハイレベルだったのですが。

2) アニメガタリズ

「うーん、微妙だなぁ」と感じながら何となく観続けてのですが、終盤のメタにメタを重ねる展開で、これを切らなくて良かった、と思わされた作品。
『勇者特急マイトガイン』のブラックノワール程のインパクトは無かったのですが、その代わり、色々なパロディー、ネタを仕込んで、これでもかと畳みかけてきたのには、思いっきり笑わせてもらいました。
内輪ネタといってしまえばそれまでかもしれませんけれども、今のマーケットを考えた場合は、こうして、アニメファンのみに向けた作品を作るというのも、大いにアリでしょう。
そもそも放送枠が深夜ということが仮に無かったとしても、企画の時点で、一般視聴者も引き付けようとか、そういうことは考えていないタイトルであることは、誰が見ても明らかなわけですし。
面白かったです。

3) クジラの子らは砂上に歌う

基本的に、『宝石の国』 と言いたいことは同じ。
原作の販促をするのがアニメ化でると割り切るのであれば、確かに、ちょっと興味が出ている私がいるので、秋田書店としてはこれで大成功なのでしょうけれど。
それが悪い、とは一概には言えないとはいえ……
第2期というのは、この手の作品で、こういう感じだとしたら、多分難しいんだろうしなぁ。

4) Just Because!

青春モノ、いいですねぇ。
2017年春クールの 『月がきれい』 も良かったですし、個人的にはこういう作品が定期的に発表され続けられるようなアニメ界であってほしいと思っています。
最終話におけるラストの展開は、正直、何故そこまで引っ張る必要があったのかという疑問が多少無くもないのですけれども、まぁ、卒業式後のすれ違いとか、ありましたし、そのせいでああいうタイミングになった、という解釈ができるかな。
LINEの投稿への未読が1ヶ月続くというところは……美緒の意地、ということでしょうか。
途中、作画が少しアレな時もありましたが、キャストも熱演していたし、背景や演出には力が入っていたし、物語は私の好きなタイプだしで、楽しませてもらいました。
このクールでは、一番、この作品が好きだったかな。

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