「アシュラ」

 2012-10-06
先週の「マルドゥック・スクランブル 排気」に続き、2週連続でアニメ映画の感想となります。
今回、立川の映画館まで足を運んで観てきたのは、ジョージ秋山原作、さとうけいいち 監督で東映アニメーションが制作した「アシュラ」。

この「アシュラ」は1970年から1971年にかけて週刊少年マガジンで連載された作品で、第1話でいきなり飢饉に襲われた中世日本で人肉食を描き、そして飢えのあまりに生まれて間もない我が子を食さんと焚火の中に投入し焼き殺そうとする母を描いています。
そのショッキングな内容故に大きな社会問題となり、神奈川県では有害図書指定もされたといういわくつきの作品ですが、作者と編集部の目指したところは、そういった過酷な生まれ育ちから主人公が成長するにしたがって人間性を回復していく様を描こうというところにありました。
結局、最後まで構想通りに連載が続けられることは無く、原作マンガは道半ばで中断されることになるのですが、その段階まででも、ジョージ秋山の描き出した物語は一種異常な熱量を放ち、読者の心に鮮烈な印象を残したそうです。

私も、連載からは10年以上経ってからですが本作を読んでおり、永井豪の「デビルマン」や横山光輝の「マーズ」などと並んで、私の「ものの考え方」に多大な影響を与えた……というか、いい意味で「捻じ曲げた」犯人の1つだと言えます。

そんな作品のアニメ化。
正直、本作が制作されていることを知った段階では、期待3割に心配7割という感じで不安の方が先に立っていました。
ですが、8月頭の某国家試験終了直後に「おおかみこどもの雨と雪」を観に行ったときに予告編を目にして、その比率は逆転することとなったのです。
この映像ならば、安心して劇場まで観に行くことができる、と。

さて、そうして実際に観てきた「アシュラ」がどうだったのか、なのですが……
いや、これはなかなかいいですよ。
今回映画にするにあたり原作とはストーリーを変えてきているところもあり、役回りの変わった登場人物、そしてそもそも存在すらなくなった者もいて、それを原作ファンがどう思うかというのは分からないけれど、震災のあった後の厳しい時期だけに、今この作品をこういう形で世に送り出すことに意義を見出したスタッフの心意気、私にはしっかりと伝わってきました。

変に委縮することなく人肉食も正面から描いていますし容赦なく血しぶきも飛ぶ、かなり刺激の強い作品です。
受け付ける受け付けないはやむを得ないとして、できれば本作、私がかつて最初に原作に触れた時のように、感受性の強い小中学生くらいに是非、観てもらいたいものです。

なお、上記の予告編の Youtube があったのでご紹介しておこうと思うのですが、結構ネタバレになるようなカットが多いので、「追記」ページに貼ることにします。
ご覧になりたい方は、「続きを読む」をクリックしてください。



(公式サイトはこちら

アシュラ(上)(幻冬舎文庫) アシュラ(下)(幻冬舎文庫) 銭ゲバの娘プーコ/アシュラ完結編 (ジョージ秋山捨てがたき選集 第2巻)
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