「おおかみこどもの雨と雪」

 2012-08-03
毎年8月頭は某国家試験を受験しているのですが、その試験が終わったらその足で映画を観に行く、というのが、ちょっと前の私の習慣でした。
ここ数年は会場の場所の都合だったり試験時間の都合だったりで、その習慣からすっかり離れてしまっていたのですけれども、今年は久しぶりに、試験が終わった直後に映画館に行くことにしました。


で、観てきたのが、今回のタイトルにもなっている「おおかみこどもの雨と雪」。

おおかみこどもの雨と雪

あまりに「理想の母」像を描きすぎているようで、花の葛藤があまり描かれなかったこととか、児相が悪者みたいなのはどうなんだろうとか、1人での子育てってそんなに簡単じゃないだろうと思ってしまうとか、そういうところはありましたけれど、作品の主眼はそこには無いんだろうなと考えれば、それも仕方ないかというところ。
その部分までじっくり描いていしまうと、とてもではないけれども劇場公開時間の制約内には収まらないでしょうからね。
健やかに育っていく子供の姿を追って、子供の持つ生命力への賛歌とか、親離れと自立というものを描く作品だと考えれば、かなりの及第点をつけられる作品となっていると感じました。
草木の1本まで丁寧に描かれた美術もいいですし、アニメーションとして非常に良質のものを見せてもらったと思います。

淡々とした作品、物語で、そんなに派手な盛り上がりなどは無いのですけれども、上映時間中、飽きさせるということが無かったのは、その絵の美しさとか、地味ながらもしっかりとメリハリのあった脚本や演出などによるところが大きいでしょうか。
特にラスト近くの、小学校の教室でのシーンでカーテンを上手く使った演出は、秀逸。
あそこで、雪が自分の生き方を最終的に決意したこと、精神的に大人への一歩を踏み出したことを、効果的に表していたと思います。

そういえば、本作を、あの富野監督が絶賛したというニュースもありましたね。
大地に根差して生きるというか、身体性というか、地に足がついた生活と成長をアニメーションで描き出してみせたということで、これをカントクが褒めるというのは、何だかわかるな。
多分、すごく嫉妬していると思われます。

に、しても、序盤の東京での生活シーン。
一橋大学もさることながら、おおかいおとこ が自分の家が欲しいと語る印象的なシーンに使われた丘を登る階段のモデルとなったであろう場所が、今私が住んでいる所から近いので何だかドキっとしてしまいました。


結論として、なかなかの良作、佳作でした。
家族で観るとか、デートで観るとかにも、向いているんじゃないでしょうか。

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(2012/07/23)
「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
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