コーボの優勝と、土井の完走

 2011-09-12
今年の3大グラン・ツールのラストを飾るブエルタ・ア・エスパーニャが、つい先ほど、全日程を終えてマドリッドのゴールにたどり着きました。
総合もポイント賞も山岳賞も(そしてその結果としてとうぜんですがコンビネーション賞も)、今年はどの賞も最後まで熱い戦いが繰り広げられていて、実に見ごたえがありました。


まず、総合優勝者に与えられる赤いジャージ、マイヨ・ロホ。
当初考えられていた優勝候補を、ちょっと列挙してみましょう。
まず、昨年リーダージャージを着ながら路面の穴にタイヤを取られての骨折で無念のリタイアをしたエウスカウテル・エウスカディのイゴール・アントン。
そして、ディフェンディングチャンピオンであるリクイガス・キャノンデールのビンチェンツォ・ニーバリ。
この大会を年間のメイン目標としていた、カチューシャのホアキン・ロドリゲス。
グラン・ツール優勝経験者であるジェオックス・TMCのデニス・メンショフとカルロス・サストレ。
7月のツール・ド・フランスのリタイア組であるチームスカイのブラドレー・ウィギンス、レディオシャックのヤネス・ブライコヴィッチとアンドレアス・クレーデン、オメガファルマ・ロットのユルゲン・ヴァンデンブルックなど。
このように、こうして入力している私自身、これは凄いな、と思わせられる錚々たる面々が揃っていました。

ですが、結局この2011年のブエルタで、最終日に表彰台の中央に立つことになったのはその誰でもなく、ダブルエースのアシストとしてブエルタに挑んでいたジェオックス・TMCのファンホセ・コーボ。
ここのところ成績が振るわなくて引退すら考えていたものの、チームに押しとめられてレースを続けていたという30歳の苦労人選手が、2位にわずか13秒差という僅差で(特にブエルタは毎ステージ、中間スプリントとゴールの、それぞれ上位3名にボーナスタイムが与えられるので、展開次第ではこれくらいは簡単に引っくり返らないとも限らないのです)選手生活最大の栄光と名誉を手にすることになりました。

しかも、所属するジェオックス・TMCはトッププロチームではなくて、その1つ下のカテゴリー、プロ・コンチネンタルチームに分類されるチームなのです。
これは、凄い。
こういう、非常にドラマチックな結果が時々あるので現実はあなどれません。

ちなみに、各賞の順位を足した数字が一番小さい選手が獲得する白色のジャージ、コンビネーション賞のマイヨ・コンビナーダもコーボが1位になっています。
総合はもちろん、山岳賞でもいい順位にいますから、これは、当然の結果と言えます。


ポイント賞の緑色のジャージ、マイヨ・プントスも、最後の最後までギリギリの争いでした。
カチューシャのホアキン・ロドリゲスとラボバンクのバウケ・モレッマが同ポイント数で並ぶという前日の第20ステージの結果を受けて、白熱のポイント勝負は最終日までもつれ込んだのです。
総合が残念なことになってしまったホアキンのことを個人的には応援していたのですけれども、結果は、強力なスプリンター達と一緒にスプリント合戦に参加して、最終ステージで9位に食い込んだモレッマがゴールポイントを獲得し、この賞を掌中にすることに。


そして白地に青水玉という山岳賞のマイヨ・モンターニャは、コフィディスのダヴィド・モンクティエが7ポイント差で獲得。
終わってみれば順当な、最終力候補による4連覇達成です。

こう書くといかにもあっさりと受け取られてしまうかもしれませんけれども、グラン・ツールでの各賞をここまで連覇することは、それはもう、大変なことなのです。
特に、モンクティエはフランス人だから、余計に。

というのも、ブエルタはスペイン自転車ロードレース界でも年間シーズンで最大の大会ですし、やはり山岳を得意とする選手であれば、自国開催のグラン・ツールで山岳賞ジャージを手に入れたいと願うのは当たり前のこと。
ですから、当然、山岳ステージなどで果敢なアタックをしてくるわけです。
そして、スペインには伝統的に、登りを得意とする選手が多い。
そんな中、全日程を通して上手くペース配分しながら着実にポイントを稼いでいき、なんと4年連続でこの栄誉を掌中にしたモンクティエ。
ブエルタという大会が性に合っているのでしょうが、それにしても、凄いです。


最後に、今回日本人として初めてブエルタに出場したスキルシマノの土井雪広選手について。
彼も初出場のブエルタ、初出場のグラン・ツールで、ステージ中盤での集団牽引役や、第6ステージで逃げに乗ったりと、大いに見せ場を作ってくれ、そして無事にマドリッドまでの完走を達成しています。
その走りは多くのチームの関係者の目にも止まっていることと思いますし、来年以降のシーズン、今後の活躍も期待できそうな、そんな予感がします。
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