宇河弘樹「朝霧の巫女 平成稲生物怪録」第5巻

 2007-12-29
前巻が発売されてから数えて実に4年弱のインターバルを経て、
宇河弘樹の「朝霧の巫女 平成稲生物怪録」5巻が発売になりました。

いやぁ、待った、待った。
連載がどんどんもの凄い方向に転がって物語はテンションを高めて行き、
ついに今年の夏には完結をみたというのに、
コミックスが一向に発売されないというこのじれったさ。
作者の完璧主義の故か、
コミックス化にあたっての修正、再構成作業に手間取っていたのだろうというのが、
これだけコミックス発売が遅れたことに対する大方の見解、なのでしょうか?
しかしまぁ、究極的にはそんなことはどうでも良いのです。
私としては、こうして無事に続巻が発売になってくれたこと、
そしてこれから後も引き続き6巻以降が無事に出てくれそうなこと、
それだけで、もう満足です。

この5巻には「ヤングキングOURS」平成16年2月号~11月号掲載分が収録されており、
忠尋が山に呼ばれて神隠しとなり、彼が生まれたときに天津家を襲った悲劇が語られます。
ラブコメあるいは萌えマンガの殻をかぶっていた為に、
表面からは隠れていた本作の本性が満を持してゾロリと這い出たのが、
今回の冒頭を飾る第十六話「神隠し」㊀。
連載時にこの回を目にした時、「来た!」と思いましたよ、私は。
この、背筋をぞくぞくさせるような、生理的嫌悪を起こす一歩手前の圧倒的なビジュアル。
線の粗さがマイナスに働かず、逆に作品に土着的なイメージを与えています。
ああ、作者はこれがやりたくてこの作品を始めたのだな、とその瞬間、確信したのです。

そうしてその後繰り広げられたのは、ハードでダークな一大伝奇絵巻。
この5巻に収められた辺りから大きく舵を切って転がりだした物語は、
そのままアクセルを緩めず床ベタのままでラストまで駆け抜けます。
ちなみに、作者は現在も全9巻の構成で加筆修正作業続行中であり、
次ぎの6巻はどうやら来春発売予定の模様。
作者にはこの際、存分に手を入れて、思うようにこの作品を描き切ってほしいと思います。

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