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「スガリさんの感想文はいつだって斜め上」 第3巻

 2020-05-11
1巻2巻をこの「別館」でも紹介しておきながら、シリーズの3冊目は無視というのもちょっと座りが悪いかなと思ったので、今回も、「週に1冊をとりあげる」というマイルールを破って、平田駒の『スガリさんの感想文はいつだって斜め上』第3巻を紹介します。

今回題材として取り上げられたのは、太宰治の「走れメロス」とフランシス・ホジソン・バーネットの「秘密の花園」。
どちらも非常に有名な作品ですから、今更内容を説明することも無いでしょう。

これ等に対し、スガリさんこと須賀田綴がどのような感想文を書いてくるのかが、過去2作品における本作の面白がるところだったわけです。
が、このシリーズ3冊目では、その点は少し違ってきているかもしれません。つまり、
スガリさんの解釈を楽しむというよりは、それはエッセンスのようなもので、それ以外の部分での謎解きなどを楽しむという構図になってきているのです。
通常のよくある「日常の謎」系の作品になってきたと言ってもいいかもしれません。
ちなみに、帯に印刷されていた公式の粗筋は、こんな感じ。

今回は取り上げたのは「走れメロス」と「秘密の花園」。学園の問題児・丹波舜斗が読書感想部にやってきた。人を寄せつけない舜斗とかかわるうちに、3年前に起きた大騒動の真相が浮かび上がる。はたしてスガリさんは彼らの失われた絆を取り戻せるのか?そしてスガリさん自身が抱える闇がいよいよ明らかに――!?


ふむふむ?
えーと、前半はともかくとして、結びにある「スガリさん自身が抱える闇」については、今回もほとんど新たなことは判明していないので、そこはまぁ、有体にいって誇大広告ですね。

粗筋にも明記されているように、スガリさんが部長を務める読書感想部に今回、3人目の部員が入ってくることになるのですが、「走れメロス」のエピソードはそんな彼の過去のトラブルをめぐる話でした。
続く「秘密の花園」のエピソードは語り手である読書感想部顧問の直山杏介がスガリさんの過去へとアプローチしようと少しだけ動いてみる話だったので、では次の第4巻ではいよいよそこにスポットライトが当たるのかと思えば、巻末のエピローグではもう1人の部員について何やら不穏なネタ振りがされています。
ということは、第4巻はスガリさんでは無くて彼女の方にフォーカスしたエピソードが描かれるのかもしれません。
それはそれで面白ければ問題ないのですけれど、ならば余計に、帯にあんな宣伝文句を記載しなければいいのにという思いが強まってきてしまいます。
せっかく面白い作品なのですから、こういう詐欺まがいのことは行わない方がいいのではないでしょうか、河出書房新社さん。

と、苦言を呈させていただいた上で、これまでの2冊ほどではありませんでしたが、今回もわりと良い内容だったので、とりあえず第4巻を楽しみに待たせていただきます。



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