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「お台場アイランドベイビー」

 2020-05-16
この作家の作品は文庫化されたものから順次読んでいくことにしようと決めていたものの、某日に書店の棚で見つけて、これは読み忘れていたなと気が付いたのが、伊与原新の『お台場アイランドベイビー』。
私が彼の作品を読み始めた頃には既に文庫になっていたようなので、冒頭に書いたマイルールとはちょっとずれてしまっています。
それはつまり、ルールを決めた時点で購入をし忘れていたということであり、これは完全に私の見落としです。

公式の粗筋を引用してみましょう。

日本を壊滅寸前にした大震災から4年後、刑事くずれのアウトロー巽丑寅は、不思議な魅力を持った少年・丈太と出会う。謎に包まれた彼の出自は、近年起こっている「震災ストリートチルドレン」たちの失踪と関連しているらしい。丑寅は元上司の鴻池みどりと協力し、子供たちの行方を追う。やがて、手がかりが震災で封鎖されたお台場にあることを知った丑寅は、丈太と潜入を試みるが――驚天動地の近未来「本格」アクション!!


大災害もしくは気候変動等が起きてそれまでの都市構造が崩壊した東京というシチュエーション自体は、そんなに珍しいものではありませんよね。
これまでに「ぱんたれい」で紹介してきた中で記憶に強く残っていてパッと思い浮かぶものでも、例えば古川日出男の『サウンドトラック』とか、池上永一の『シャングリ・ラ』とか、藤崎慎吾の『ストーンエイジCOP』シリーズといった辺りが挙げられます。
どれも、災害が原因というよりも極度の温暖化進行が原因な作品ですけれど……。

ともあれ、それだけメジャーなジャンルでやるからには、差別化を図るために本作だけのオリジナルなところが求められるわけです。
そうでないと、生き残っていくことができないですからね。

そういう観点で『お台場アイランドベイビー』を読んでみると、うん、まずまずいい感じになっているのではないでしょうか。
アクションものとして、スリリングな物語を楽しむことができます。
突っ込みどころもいくつか無いわけではありませんが、これがデビュー作であるということを考慮すれば、目をつぶってしまっても全然問題の無いレベルであると言えるでしょう。
ただし、粗筋に謳っているような「驚天動地の」要素があったかどうかは、横に置いておかなければなりません。
さすがに、「驚天動地」はちょっと言い過ぎですね。

デビュー作でこれであれば、先々には大いに期待できますよね。
第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞したというのも、なる程なという感じです。
実際、これから後に、伊与原新は結構コンスタントに面白い作品を発表していますし。

もう1冊、先月に文庫が発売になった『ブルーネス』が発売日に購入したまま積読になっていますので、そちらも早めに読まなければ、ですね。



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