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「宝の地図をみつけたら」

 2020-02-15
「宝探し」というのは、ロマンのある響きを感じる言葉です。
しかしながら、小学生がちょっとした遊びでやるのはいいとしても、それなりの大人が本気で人生をかけて取り組むとなると、少々はた迷惑なことにもなったりするものですよね。

後者の場合に追い求めることになるのは、大体の場合が、いわゆる埋蔵金や隠し資金。
代表的なのは江戸城開城時に隠されたと言われる徳川埋蔵金だったり、第二次大戦後に進駐軍が接収した財産を隠しているとされるM資金等が挙げられるでしょうか。
そんな宝探しのうち、山梨県に隠されているとされる武田信玄の埋蔵金を探す大学生を主人公にした作品が、大崎梢の『宝の地図をみつけたら』です。

公式の粗筋を紹介してみましょう。

小学生の頃、祖母からこっそり手に入れた「金塊が眠る幻の村」の地図。それは晶良と伯斗の友情の証、そして秘密の冒険の始まりだった。「探しに行かないか、昔みたいにふたりで」。渋々と宝探しを再開する晶良だったが、直後、伯斗の消息が途絶えてしまう。代わりに“お宝”を狙うヤバイ連中が次々に現れて……! ? 手に汗握る“埋蔵金”ミステリー!


この粗筋から、小学生の頃に知ることになった埋蔵金の情報を追いかけ続けた2人の、インディー・ジョーンズばりの冒険小説、と考えると、それはちょっと違います。
前述の粗筋で言うところの「ヤバイ連中」というのがポイントで、それがあるから、本作は純然たる冒険小説というよりは、どこか犯罪小説的な匂いが漂っているわけですね。

とはいえ本作、アクション小説、サスペンス小説として本作を捉えると、それはそれで不満が出てくるというか、物足りなさを覚えてしまうのも事実。
面白いか面白くないかでいえば間違いなく面白い方に分類されるのですけれども、こういう題材でこういう物語を書くのであれば、もう1つ2つ、何かしらが欲しかったところです。
その方が話に深みや重みが出てきて、作品としてのクオリティーがグッと上がっただろうにと思うんですよね。

ただ、この辺は難しいところもあって、今のレベルで書かれているからこそ、本作が読みやすい……という言い方はちょっと違うかもしれないので、娯楽作品として、という表現を使ってもいいかもしれませんが、要するに、普段そんなに小説を読んでいないような人にもすんなりと読める一般性のある作品になっているという側面もあるでしょう。
であれば、サスペンス小説とか犯罪小説としての完成度を高める方向を推し進めるのも、それはそれでどうなんだろうという考えも成り立つわけです。
幻冬舎としては、そして大崎梢としては、そこを承知していて敢えてこれくらいの「濃さ」で物語を収めているのかもしれません。
とどのつまり、私がここで書いているのは私個人の勝手な好みの話に過ぎないわけですしね。




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