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「大絶滅恐竜タイムウォーズ」

 2020-01-11
草野原々の 『大絶滅恐竜タイムウォーズ』 は、昨年4月に発売された 『大進化どうぶつデスゲーム』 の続編。

公式の粗筋には 「本書は『大進化どうぶつデスゲーム』の続篇であるものの、前作読者の期待を大きく裏切る超衝撃的な問題作である!」 という言葉が記されおり、帯には 「人類×キャラクター×ダーウィン×ストーリー×生命×オリンピック→崩壊!!!! 『大進化どうぶつデスゲーム』の全てをぶち壊す最新刊」 という惹句が記載されています。
前作は草野原々にしては「普通」で(あくまで「草野原々にしては」ですが)あり、現在までに読んできた彼の著作の中では最もラノベっぽい作品でした。
その続編たる本作。
事前に目にした担当編集の Twitter 等から、結構ヤバいことになっているらしいとは思っていたのですが、実際に読んでみると……こ、これは、予想以上です。

冒頭の30ページ程度を読んだ段階で私が感じたことを一言で表すならば、「頭がおかしい」です (良い意味で、ですよ、もちろん)。
この作品の中身について具体的なことを少しでも書いてしまうことは作品の破壊力を損なうことになって、せっかく読者がとんでもない読書体験をできるチャンスを駄目にしかねません。
ですので、多くは書けないのですけれども、草野原々は、あの 『最後にして最初のアイドル』 を書いた人である、ということを、もっと真剣に考えて読み始めるべきでした。
『大進化どうぶつデスゲーム』がかなり普通な感じになっていたので、油断してしまっていたことを、ここにお詫びと共に反省します。

過剰に次ぐ過剰、加速に次ぐ加速。
もともと本作はシリーズ化が前提で考えられた企画であったはずですが、おそらくですけれども、草野原々は、シリーズ第2作以降何冊かを使って描いていこうとしていたようなことを、全てこの『大絶滅恐竜タイムウォーズ』1冊に詰め込んできています。
セールス的な問題で出版社から打ち切りを打診されたので仕方が無くそうしたというのではなく、おそらく、そうしなければいけないという確信、作品がそれを求めているという衝動の下に。

有体に言って、怪文書レベルの傑作です。

そういえば、『最後にして最初のアイドル』が文庫で刊行された時のインタビューで、「とにかくメチャクチャで読む人の頭をおかしくして読後に踊りだしてしまうようなSFを書きたい」と発言していましたね、草野原々。
本作は、まさしくそんな作品になっていると思います。
1作目がああだったからこそ、2作目の破壊力も倍増する。
担当編集他、この2冊はどちらから読んでも問題が無いという発言も見受けられますが、個人的には、やはりこれは『大進化どうぶつデスゲーム』を最初に読んでから『大絶滅恐竜タイムウォーズ』に取り掛かるという、刊行順に取り掛かっていくのが正解だと思います。
誰かに薦めてしまっていいものなのかという戸惑いがある一方で、これを読まないのは損であるという意識も強くある、そんな、アンビバレントな作品でした。




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