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「天空の防疫要塞」

 2019-08-17
銅大の『天空の防疫要塞』は、いわゆるミリタリーSFの1作。
銅大というと『SF飯』の人だよな、ああいう脱力系のユーモアSFを書いていた人がミリタリーSFとは、どういう感じになるのだろうと思って購入したのですが、そこからしばらく読み始めなかったのは、まぁ、いつものパターンです。

で、そうしてしばらく寝かせてから読んだ『天空の防疫要塞』。

辺境の惑星“プリル”に、星々を結ぶ銀河回廊を開いて星間連盟の探査船が到来した。銀河回廊の開通により、辺鄙な農業惑星はめざましい発展を遂げる。だが、銀河回廊がもたらしたのは繁栄だけではなかった。銀河中心核から侵攻してくる恐るべき敵、“空食い”もまた襲来したのだ。防疫要塞から派遣された教官のもと、体内にナノマシンを入れて特殊能力を得た少年たちは、義勇防疫団員となって強大な敵に戦いを挑むが……。


というのが公式の粗筋です。

これだけを読むと、「なる程、この作品はつまり謎の異星軍隊の攻撃を受けた植民惑星が、その攻撃に対してどのように抵抗していくのかというストーリーなのだなと思うことでしょう。
それはそれで、全くの間違いというわけではありません。
ですが、実際に読むとすぐに分かるのですが、そういった物語が展開されているのは、本作の前半部分だけです。

本作は、前述のように、植民惑星に圧倒的な異星文明の敵が攻めてくる前半と、その戦いにからくも勝利した後に、人類社会の中で起きる勢力争いの一局面を描く後半からなっているのです。
つまり、1冊の中に2つの物語が入っていると言ってもいいと思います。
それでストーリーが全体的に完結している、もしくは、そこまでではなくとも、ある程度のレベルでひと段落していればいいのですが、この作品の最大の問題は、そうやって2部構成で傾向の異なる話をした挙句に、どちらかというと中途半端なところで物語が途切れているところでしょう。
これで、シリーズ化されて続編が刊行される予定があるとうのであればコレもまたアリかもしれませんが、今のところ、そういう気配は感じられません。
である以上は、これを単独・単巻の作品として読まなければならないと思います。
その観点から考えると、これは、やはり、綺麗な終わり方とは言えないということから、作品としての評価は思い切り引き下げざるを得ません。
もし仮に続編が出ることにでもなって、その内容次第ではその評価も変わり得る(それくらいの潜在力はあると思います)でしょうが、現状では、そんな感じですね、残念ながら。
『SF飯』は、面白かったんですけれど……


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