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「天気の子」

 2019-07-24
新海監督の新作がいよいよ公開ということで、本来であればかなり明るい気持ちでその感想を書きたいところです。
しかし、どうしても、先日の京アニで起きた放火事件のことが頭をよぎらずにはおれず、どうしても暗い気持ちが心の中に澱のように淀んでいるような感じでの劇場での鑑賞となりました。

今回のエントリはあくまで『天気の子』の感想なので、事件のことは一旦忘れることにして、実際にスクリーンで観てきた作品のことを書かせていただくと……

観終わって感じたのは、思っていたよりも攻めた内容だったなということ。
もちろん、観客から料金を徴収する映画作品である以上、そして『君の名は。』に続く新海誠監督の新作である以上は、エンターテインメント性の高い作品であることを求められるでしょうし、その点ではかなり頑張っていたと思うのですが……
ネタバレを極力避けるためにストーリーの詳細は書きませんけれども、主人公とヒロインの行動が世界の在り様に直接的に関係していくという、いわゆる「セカイ系」の物語構造を本作は持っています。
そんな中で、本作の最終展開は、なかなかに痛快なものがありました。
「そう来たか!」という感じですね。
ただし、それはあくまで私個人の感想であって、多分これ、世間一般的には否定的な意見の方が多い作品ではないかと思います。

端的に言えば、2時間の映画で物語を成り立たせるということを考えた時に、色々と語られていないこと、漏れていることが多すぎるのです。
RADWINPS の楽曲をさながらPVのように流しているシーンを少し削って、それ以外にも何ヶ所か切り詰めていけば、アレやアレについて簡単な説明をすることくらいはできたはずだろうと思うのですけれど、本作はそれをやっていない。
これを、新海誠という監督は、作品を一本の物語としてまとめるということが分かっていないと解釈するのは簡単ですが、私が思うには、これは敢えてこういう形にしたのではないでしょうか。
新海監督だって馬鹿ではないのですから、主要登場人物たちの背景部分などをもう少し触れておいた方が、物語としては構造がしっかりとするということくらいは、分かっていたはずだろうと私としては思うのですよ。
それでもなお、自分の言いたいこと、主張したいことだけを語り、それ以外のディティールには一切描いていかない。
そういう道を敢えて選択している。
であれば、随分と尖ったことをやってきたものですよね、新海監督。

賛否両論、叩かれたりもするだろうなという予想もできたうえで、それでもこれをやってくる。
キャッチーなキャラデザと奇麗な美術でごまかされてしまうこともあるかもしれませんけれど、いやぁ、これは、新海監督もなかなか人が悪い。
このラストを、中途半端なところで終わったとみるか、それとも、描くべきことを描き、訴えたいことを訴えた、テーマのあるラストとみるか、さて、これから本作を観てみようかという皆さんは、どのように感じるでしょうか。

しかし、こういったことを考えつつ振り返ってみると、本作が異常なまでに様々な企業とのタイアップをやっていたことについても、何だかそれなりの理由付けができるような気がしてきます。
つまり、公開後にどれだけ批判されようと、興行成績が今一つになろうと、既にタイアップの収入で制作費等が賄えるているだろうという計算が、そこにはあるのではないか、と。
……さすがに、考えすぎかな?


公式サイトは こちら から


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