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「スガリさんの感想文はいつだって斜め上」

 2019-06-01
本屋で見かけてちょっと気になったので購入した、平田駒の『スガリさんの感想文はいつだって斜め上』を読了。

謎多き女子高生スガリさんと、愛知県内初の男性家庭科教諭の杏介が、読書感想部を立ち上げた。名作文学を斜めからぶった斬り、巻き起こる事件を解き明かす!そして解決の先に見えてきたスガリさんの闇とは?顧問と部長、2人の「活動」がはじまる!


というのが本作の粗筋となっているのですが……
うーん、これではちょっと事実誤認を招きかねないような気がしないでもありません。
一例を挙げるならば、本作修了の時点では読書感想部、まだ立ち上がっていないのではないかという点があります。
「スガリさんの闇」という表現も、そこまでのものがあったかなと首をかしげずにはおれないというのが実際のところです。
そういう突っ込みどころのが満載である粗筋を堂々と印刷しているのは、これが書店で客の興味を惹きつけて購入をさせるために担当編集者がやっているのだとすれば、仮にそれが一時的には成功するとしても、実際に購入した人が読んだ時に、「宣伝に偽りあり」として文句を言う可能性も十分考えられそうですよね。
それが出版界への不信に向いてしまうことも、あるいは「この作者の作品はもう読まない」というような方向に向くこともあり得ますし、決して良い結果は生まないと思うのですけれど。
せっかくそれなりに面白いのに、そんなところで損をするのは、もったいない。

なお、スガリさんというのはヒロインのあだ名であって、本名はスガリではなくて、須賀田綴といいます。
何故スガタではなくてスガリなのかというと、長野県中部から名古屋にやってきた彼女がクラスで地元の地域食である生のスガリを食べたことが原因です。
ネットで検索などしていただけばすぐに出てくると思いますが、スガリというのは、要するにスズメバチの幼虫で、佃煮にしたり炊き込みご飯にしたりして食べているようですね。
その設定が本作に必要だったかどうかは、まぁ少々微妙なところも無いわけではありませんけれども、ヒロインのキャラ付けとしては有効に働いていると思います。

で、本作は大きく2話からなっていて、第1話は夏目漱石の「こゝろ」、第2話は新実南吉の「手袋を買いに」を題材にして、日常の謎系のライトミステリータッチな話が展開されます。
といって、そんなにしっかりとミステリーをやっているというのではなく、あくまでちょっとだけミステリー風の味付けをしているとう感じですが。



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