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「SF飯 宇宙港デルタ3の食糧事情」

 2018-05-12
昨今、ライトノベルやエンタメ小説の棚を書店で確認すると、そこには異世界モノ(転生ネタ含む)や料理モノがかなりの数だけ並んでいます。
皆でどれだけ柳の下の泥鰌を狙っているんだとか、ちょっとウケたネタはあっという間に模倣作品が山のように出てくるなだとか、そんなことを感じずにはおれない状況ですよね。
最近はそれを逆手に取ったようなモノも出てきてるようで、それはそれで、ジャンルとして成熟してきたということなのかなぁ、なんて思ったりしないでもありませんが。

ともあれ、出版はボランティアではなくてビジネスですし、昨今の出版不況を思えば、売れそうなネタには全力で、かつ最速で飛びつくのは経営戦略としては正しいので、そんなに文句を言うようなスジではないのかもしれません。
なおこの場合、真っ先にそのジャンルに名乗りを上げたもしくはそのネタを題材にしたというオリジナルの作品だけが優れていて、その他の後続作品は所詮劣化コピーにすぎないとか、そういうようなことは無いのであって、むしろ1ジャンルとして成熟してから発表された中に非常に優れた出来のものがあったりもするのですが、まぁ、それは余談です。

前置きが長くなりましたが、そんな料理モノ、食事モノの流れにちょっと乗っかってみようかな的な作品なのだろうか、とタイトルを見た時に思ったのが、今回紹介する銅大の『SF飯 宇宙港デルタ3の食糧事情』。
舞台となるのは今からはるか未来の人類社会です。
裏表紙の粗筋紹介をちょっと引用してみましょう。

「時は人類を過保護すぎるほど守ろうとした機械知性〈太母〉が〈涅槃〉へと旅立ったあとの時代。中央星域の大商家の若旦那マルスは、人柄はよいものの騙されやすく、勘当されて辺境の宇宙港へと流れてきた。行き倒れた若旦那を救ったのは、祖父の食堂〈このみ屋〉を再開させようとがんばる少女コノミ。ふたりは食材の不足、単調なメニュー、サイボーグや異星人という奇天烈な客にめげず、創意工夫でお腹と心を満たしていく!」


内容的にはまさしくこの紹介そのものと言って差し支えない本作ですが、それだけで終わっているわけではなく、そこにプラスアルファな要素を追加しているのですけれども……まぁ、そこは、読んでみてのお楽しみ。

〈太母〉に関する説明がほぼ無いこととか、その他にも、わりと基本である設定的なところについてほとんど言及がされない等、物足りなさというか、何となく落ち着かない部分が残るのは、敢えてそういう感じにして雰囲気を醸し出しているのか何なのか分かりません。
が、いずれにしても、これ単体で読んだ時に消化不良さが残るのは、否めないところです。
とはいえ、どうやら本作はある程度好評を得られたようで、今月にシリーズ2冊目が発売されますから、後々への仕込みになったということでは結果オーライだったのかもしれませんけれど。



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