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「日曜は憧れの国」

 2018-03-03
母親の言いつけで、東京都新宿区の四谷駅前にあるカルチャーセンターにある料理教室で、体験受講をすることになった中学二年生女子の千鶴。
そこで彼女が同じ班になったのは、学校も性格も違う3人の少女、桃、真紀、公子です。
この3人と共に、自分達の受講したスクール内で発生した様々な事件の謎に挑むという、日常の謎系の青春ライトミステリーが、円居挽の『日曜は憧れの国』。

とはいえ、厳密には全5編のエピソードの全てがカルチャーセンターで遭遇した事件では、ありません。
が、まぁ、それを突っ込んでもあまり意味は無いですし、それはそれでしょう。
高校進学、そしてその先の進路のことも漠然と考え出すようになる年代である彼女等が、自らが抱えている悩みだったり将来だったりというようなものに向き合うのがテーマだと作者があとがきで語っていますが、その狙いはまずまず達成できているという印象です。

ただし、文庫1冊でまとめようという前提であればそうなるのも必然かという気もしますが……
4人のキャラクターが少々ステレオタイプになっていることと、最後の締めがちょっと物足りないのが難点。
ですが、基本的にこれは、好きなタイプの作品です。

以前に読んだ 『クローバー・リーフをもう一杯 今宵、謎解きバー「三号館」へ』 も、あともう1つが足りないというような読了感でしたが、もしかしたら、それが円居挽という書き手の作家性なのかでしょうか……?
それはそれで、1つの持ち味だと言えるかもしれません。
本当は、そういう物足りなさを感じさせない、1冊を読み切ることで一定の充足感を得られるような作品を書いてくれている方が嬉しい、というのが正直なところですけれど。
まだ2作品しか読んだことは無いながら、それができない作家では無いだろうとも思うので、この辺は、今後の改善に期待、です。
案外、私がまだ読んでいない著作では、そういうマイナス要素は払拭されているかもしれませんし、良さげな作品が目に着いたら、また読んでみようかな。
とりあえずは、本作がシリーズ化されて第2巻が出ているので、それを読むことから、でしょうね。



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