「横浜大戦争」

 2018-01-13
「ご当地小説」的なものというのは、有名な観光名所から、地味な地方都市や農村なども含め色々とあるものですよね。
そんな中の1冊、昨年の6月に発売された蜂須賀敬明の 『横浜大戦争』 を読みました。

実のところ、発売直後に横浜市内の某本屋で、サイン本が大量に置かれていたのです。
で、横浜市の18の区、青葉区、旭区、泉区、磯子区、神奈川区、金沢区、港南区、港北区、栄区、瀬谷区、戸塚区、都筑区、鶴見区、中区、西区、保土ヶ谷区、緑区、南区のそれぞれを担当する土地神が、横浜市の大神の命により、横浜ナンバーワンの土地神を決めるべく互いに相争うことになる、という物語設定と、その大々的にプッシュしている様に大いに興味を惹かれ、購入していたのですね。

なお、上にずらずらと書き連ねた区の名前ですが、これはあくまで五十音順であり、その並び方に含むところは一切ありません。
というか、ここで下手な並び方を選んでしまうと、例えば某〇〇区に住んでいる友達や、あるいは某△△区出身の友達などに、ウチの区が下だと言いたいのか、と、苦情を言われてしまうかもしれませんし……というのは、もちろん冗談ですが。

この手の作品はローカルなネタをこれでもかと盛り込んだ地域感丸出しなモノになりがちですよね。
そうなると横浜市の住民、それも住み着いて間もない人では無くて、既に最低でも3年以上は住んでいて、その地理だとかそれぞれの区の特性というようなものについてある程度知っているような人でなければ楽しめない可能性が出てくる、そういう人しかターゲットになり得ない作品になる、ということも、ままあるものです。
とはいえ、横浜は370万人都市なので、そこだけを狙った作品を出しても、それはそれで、一定の売上が期待できるのかもしれませんが……。
とりあえず言えるのは、まるで横浜市に興味が無い、という人には向かない作品だということですけれど、そういう人はそもそもこれを読もうとは思わないだろう、と突っ込まれてしまえば、それまでですね。

それぞれの区の土地神を思い切りカリカチュアライズして、例えば「青葉区ってこうだよね」「旭区ってこうだよね」というのをギャグすれすれまで強調するというのも、パターンとして考えられる王道なやり方です。
実際、この作品ではそういうところも一部に見られなくもないのですが、案外と、そこまでローカルにバリバリな内容にはなっていないように思えました。
まぁ、例えば金沢区の土地神が病院を経営している医者だというのは、そこにかなり大きな横浜市立大学病院がある、ということを知らないと、何でそういう設定になったのかが分からない可能性が高いかも、というようなことはあるのですけれど。
とはいえ、それが分からないからといって楽しめないような作品にはなっていませんし、逆に、どうせならばもっと多くのローカルネタ、横浜市民でも知らなかったりするようなディープなネタを盛り込んでみても良かったのではないか、というように思ったりもします。
そこまでやらず、この程度に収めている本作の方針が正解だったかどうか、それは、これが読者にどれくらい支持されたかによるのでしょう。
とりあえず、まずまず面白く読ませてもらいました。



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