「紙の魔術師」

 2017-12-30
今年最後の読了本紹介は、チャーリー・N・ホームバーグ の 『紙の魔術師』 を選んでみました。
魔術師を目指して専門学校を卒業した苦学生の少女が、特定の師匠について、いってみれば自動車の仮免許状態から正式な免許の取得をする為の実習を送ることになる、という導入から始まる物語です。

この世界において魔術師である者は、その希望や素質に応じて特定の物質と結び付く儀式を行うことで、その物質を利用した魔術がつかるようになる、というのが、本作の世界観。
主人公は学校を首席で、しかもわずか1年間で卒業した才能の持ち主なのですが、そんな彼女が儀式によって結び付けられることになったのは、よりによって、近年すっかり不人気となってしまっている、紙の魔術。
紙の魔術というのは、要するに本を読み上げてその内容を幻影として映し出したり、折り紙で動物などを折って使役したりする、というものなのですが……

この紙使いというスタイルは、読子リードマンや三姉妹を連想せざるを得ないわけですけれども、作者がその辺をどこまで意識しているのか、そもそも倉田英之の小説 『R.O.D READ OR DIE YOMIKO READMAN "THE PAPER"』 のことを知っているのか知っていないのか、そのOVAやTVアニメのことを知っているのか知らないのか、そういうのは分かりません。
ですが、これくらいの年代の英米のファンタジー・SF作家は、大抵の場合、日本のアニメやマンガの強い影響を受けていたりするので、このチャーリー・N・ホームバーグも、その例に漏れないのではないかなと、私は勝手に思っています。
ちなみに、本作が仮に 『R.O.D』 の影響下にあるとしても、内容的にはパクりとかオマージュというレベルではなく、インスピレーションを得たというレベルなので、特にだから何だという話でも無いのですが。

作中で発生する事件の規模が期待していたものよりもずっとこじんまりしていたので読みごたえという点で若干の不満は生じましたが、お約束の「ラブ」要素もあって、まずまず面白かったです。
本作は3部作仕立てになっていて、第2巻は1月に、そして第3巻も続けて翻訳刊行されるそうであり、引き続き、続巻も読むつもり。



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