「ゴーストケース 心霊科学捜査官」

 2017-11-04
戦国武将の名をペンネームに使っている柴田勝家の、霊というものの存在が科学的に証明されている世界を舞台にしたミステリーが、『ゴーストケース 心霊科学捜査官』 です。
この作品の主人公は、高知生まれの陰陽師。
扱うのは幽霊や祟りといった案件という設定で、自殺した地下アイドルの恨みに端を発すると思われるアイドルファン等の連続自殺事件の顛末を描く作品です。

これまでに読んだ作品とは思いきり傾向を異にした作品ですが、地下アイドル、という題材も、秋葉原の戦国メイド喫茶に通っているという彼の日常を考えれば、自分に馴染みのある(つまり、知識がある)ところで勝負してきたということで、おかしくはない、ということになります。
まだまだ新人の作家、しかもどうやら修士論文と並行して執筆したりもしていたらしい作品であれば、そういう、自分自身にとっては手堅いところを攻めてくるというのは、むしろ正しい姿勢だと言えそう。

で、肝心要の内容なのですが、ミステリーとしての出来がどうこうというのはさておいて、キャラクター小説としては、そのお約束な部分をしっかりと押さえているという意味で、まぁ、及第点と言えます。
おそらくはシリーズ化を見据えての事なのでしょうけれども、ちょっと主張が強めのキャラが多くて、その所為でとっ散らかっている印象はありますが、それが致命傷になっているという程ではありませんし、これくらいはスルーしておいていいレベルのことでしょうか。

ただ、1つ大きく気になったのは、主人公の話す高知弁。
要するに、方言を使わせれば簡単にキャラ付けができますし、その方向付けが合っていなかったわけではないものの、ちょっとこれは安易に過ぎないか、というのが、引っかかっているのです。
美少女キャラの語尾を変なものにするのよりはマシですが、方言の必然が、ちょっと薄すぎます。
そこが、いかにも残念。

とはいえ、発売時に見落としていた柴田勝家作品を見つけて読めたのはちょっと嬉しかったので、まぁ、それでもいいかな?


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