スカイ・クロラ

 2008-08-10
押井守監督の『スカイ・クロラ』を観てきました。
原作も色々なものを削ぎ落とした静かなイメージのある小説でしたが、この映画も、そのような感じに仕上がっていました。
今回は脚本が監督自身ではないというのもあるのかもしれませんが、例えば『イノセンス』の時のように、とにかく圧倒的な情報量をセリフに込めたりはせずに、言葉で語るのは必要最低限に留め、その分、映像に饒舌に語らせたという印象です。
押井作品はいつもそうですが、今回も、演出については練りに練られた計算され考えつくされたものになっていたと思います。
登場人物たちのちょっとした仕草や表情は彼等の心情を雄弁に描き出しますし、画面に登場する小道具が象徴するもの等々は常々レイアウトの重要性を説き続けている監督の面目躍如という感じでしょうか。
そして劇中の様々なサウンド。
効果音の一つ一つ、その全てに、相当なこだわりを感じました。
ハープを印象的に使用した川井憲次のBGMも、主張し過ぎず、しかし存在感は鮮やかに物語を背後からしっかりと支えています。
映画のテーマは、決して押し付けがましいくらいに声高にセリフで語られはしないのですが(最近、そういう安易な作品が実写・アニメを問わずに多いような気がします)、本作のこの、寡黙なセリフと饒舌な映像と音のコントラストは、言葉にするよりも余程切実に、生きることの意味を問いかけてきます。
繊細で、ストイックで、そしてとても豊穣な、これは良い作品です。
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