「傷物語Ⅲ 冷血篇」

 2017-01-12
2017年の最初に観たアニメ映画は、2016年1月に観た 『鉄血篇』、同8月に観た 『熱血篇』 に続く、『傷物語』3部作の完結編。

制作発表から実際に映画が完成するまでに、えらい長い時間のかかった作品ではありましたが、いざ劇場公開が始まってからは、半年ごとのペースですから、まずまず順調だったと言えるのではないでしょうか。
1作辺り1時間程度の作品では、あるのですけれど。

内容的に、1時間×3部作とするよりは、1時間半×2部作、またはいっそ2時間~2時間半書ける1作で終わらせた方が、映画としてもストーリーとしても、もっとずっとすっきりしたのではないかという思いは、今回の 『冷血篇』 でも変わらず。
まぁ、そういう無駄にも思える演出や、長回しのセリフこそが、本作の制作スタジオであるシャフトの持ち味、「らしさ」であり、これまでのシリーズも全てそんな感じだったではないか、と言えばそれまで。
もともと、西尾維新の原作も、一人称での冗長な語り口が特徴ですしね。

『傷物語』 というエピソードのストーリーについては、既に原作をだいぶ前に読んでいるので、今回、とりたてて思うことはありません。
強いて書くならば、ああ、こんな話だったよね、という感じ。
なので私の関心は、どういった作画をしてきて、そこにどういう演出をしてくるのか、というところに行くことになる、のですが……

いやぁ、今回も、前2作を引き継いで、かなりエッジの効いた、切れ味のよい作画と演出が繰り広げられていました。
別の表現をすれば、クセが強い(強すぎる、とも言えます)ということなのですが、いわゆるシャフト的な演出の中でも、際立って攻めている作画と演出で、これは受け付けない、と拒否感を示す人も結構多そう。
監督の作家性だとか、アーティスティックな感じだとか、そう言ってもいいでしょう。
「生」と「死」を扱っているということもあり、スプラスティックなドギツい表現、ショッキングな描写も多いのですが、それは、この物語には、必要にして不可欠なものでしょう。
延々と続く会話やモノローグが多いのは、もともと原作がそういうもの(そこが持ち味にもなっているのですけれど)だから仕方が無いのですし、カット割りその他が工夫されていて、そんなに違和感は無いのですけれども、退屈だという人もいるでしょう。
ただ、後半のアクションの圧倒的な描写は、誰しもがうなるところではないでしょうか。
血みどろ(ただし、結構コミカルな感じに観ることができます)、ですけどね。

物語以外のところで言うなら、今回、改めて凄いな、と気づかされたのは、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを演じた坂本真綾の、年齢別の演じ分け。
これには、やっぱろプロって凄いんだな、と、素直に感心させられました。
後は、スタフロールの時に流れていたED、クレモンティーヌの歌う「étoile et toi [édition le blanc]」が絶品。
「熱血篇」 のEDのリアレンジですが、もともと良かった曲が、さらに素晴らしくなっていました。

アニメマニアか、「物語」シリーズという作品のファンにしか、お勧めできないような映画ですけれど、個人的には、結構好きですよ、この3部作。


公式サイトは こちら から



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