「世界が終わる前に BISビブリオバトル部」

 2016-12-18
今週の、「本館」更新前の読了本紹介に選んだのは、山本弘 の『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』。
これは、参加者が自分の好きな本を1人5分という時間の枠内で紹介し、2~3分の質疑応答を経て、どの本を読みたいと思ったか、発表者と聴衆の投票で1位を取得することを競い合うという、ビブリオバトルを題材にしたシリーズの3作目です。

このシリーズ、第1巻が400ページ、2巻が270ページと来て、この第3巻は340ページなのですが、今回は冒頭の100ページは以前に外伝的に発表された中編が収録されているので、では実際には100ページ+240ページという構成になるのかな、と、読み始める前は思っていました。
最初の中編は既に以前に読んでいたので(今回改めて読み返してはいますが)、どうせなら新作部分がもっとあるといいのにな、と思ったりもしました。
もちろん、ページ数と面白さが比例するわけもないので、240ページが300ページにあることで更に素晴らしい物語が展開される、と決まったわけではありません。
ただ、この作品の場合、題材が題材なので、登場人物たちがそこで紹介する様々な本について(当然それは、作者である山本弘が面白いと思った本なわけですが)その魅力を語るシーンが、かなりのパートを占めているわけです。
私としてはそれが結構な魅力になっているとも感じているので、そこが充実されるのあれば、ページ数の増加は大歓迎、と思っているところが、あるのです。
それでストーリー自体のドライブ感が損なわれてしまうようでは、本末転倒かもしれませんけれど……

さて、そんなシリーズ第3作ですが、今回はミステリに寄せた内容になっています。
登場人物たちが作中で発表する本のジャンルが、というのもそうなのですが、本作のストーリー自体にも、その色付けがされているのがポイント。
その上で、最初に書いた100ページの中編が上手く取り込まれており、これはなかなかいい具合に料理してきたな、と大いに楽しませてもらいました。

一応、両者は別エピソードという扱いで、この本の中でもきっちり区分されているのですけれども、これは併せて一つのエピソードとして読んだ方が正解だと思います。
こういうページ割り付けをされている本を買って、最初の中編をすっ飛ばしていきなり後半から読み始めるという人もいないだろうとは思いますが、作者があとがきで念を押しているのに倣い、私もここで言っておくことにしましょう。
本作を読む時は、絶対に順番通りに読まなければいけません、と。

今回も安定して面白かったので、大満足です。

 世界が終わる前に
 BISビブリオバトル部

 (2016/2/27)
 山本 弘
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