「家庭用事件」

 2016-10-14

どうやら名称は「市立高校」シリーズということで確定させて良さそうな、2007年10月発売のデビュー作 『理由あって冬に出る』 から続く似鳥鶏の人気シリーズ7冊目、『家庭用事件』。
今回、「本館」に先がけて紹介する読了本として選んだ本作には全部で5つの短編が収録されています。

その中で、内容的なところで今回一番驚かされたのは、5つ目のエピソード「優しくもないし健気でもない」。
というのも、ここで、登場人物の1人に、今までのシリーズ各館では描かれていなかった新たな事実が発覚するのです。
新たな、といっても、そのキャラクターに何かが起きてどうにかなったというのではなくて、これまでもずっとそうだったのだけれども、作中では一切言及されていなかったことが、ここで明らかになったということ。
で、これが、なかなかびっくりするような話で、以前の作品ではどういう書き方がされていたっけかと、シリーズを全て読み返したくなってしまいました。
積読本の山がまた大量にあるので、実際に再読するとしても、かなり先になってしまうでしょうが……。

さて、内容とは別に、この巻から大きく変わったのが、表紙イラスト。
既刊についても今現在発売されているものは従来のものから新しいものへと差替えがされているのですが、これは強烈な違和感があります。
詳しい事情は公開されていないので何故変更になったのかは分からないのですが、以前の toi8 のイラストでの印象があまりに強い(何しろ、シリーズ開始から10年が経過している作品ですし)ので、この け-しん のイラストには、何だか違うだろう、という気分しかしません。
アニメ化だったり実写ドラマ化だったりがあった際に、それをきっかけとして表紙が変わるというのは、たまにあることですけれど、今回のこれは、何でしょう新しい読者(それも、できればティーンエイジャーくらいの低年齢層の)を獲得する為に、よりコミック的なイラストに変えてきたというようなところなのですかね、やはり。
まぁ、創元推理文庫なのでイラストといっても表紙だけのこと(本文中の挿絵は、このレーベルにはもともとありません)ですし、これからもこのシリーズが続いてほしいですから、このイラスト変更で部数が伸びるのであれば、そちらの方が大事だと考えた方がいい、のかな。

 家庭用事件
 (創元推理文庫)

 (2016/4/28)
 似鳥 鶏
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