「映画 聲の形」

 2016-09-20
新宿ピカデリーで、公開が始まったばかりの 『映画 聲の形』 を観てきました。

大今良時の原作コミックについては、その評判の高さと内容のキツさを聞き及んでいたものの、「聴覚障害者の少女に対して小学生時代に いじめ を行っていた男子が、その後、その少女と仲良くなるという作品」という認識でいて、そういうベタな、どうです感動できるでしょう的な出来過ぎの展開はちょっとなぁ、とも感じていた為、興味は覚えていながらも、これまで、手を出すことはありませんでした。
しかし、アニメ化されるのであれば、それはいい機会になります。
制作するのが 『たまこラブストーリー』 の 京アニ&山田尚子 監督 という組み合わせですし、これはしっかりした作品になっているだろうという安心感もあって、劇場まで足を運んだ次第。

で、観終わったわけですが……
いやぁ、これはなかなかの力作であり、細部まで丁寧な演出で作られた、非常に面白い映画です。

しかし、これはあれですね、私が当初思っていた、上記のような内容の作品というわけではありませんでした。
いや、「聴覚障害者~云々」というのが全くの勘違いというわけではなくて、そういう要素は確かに本作において重要なものになっているのですけれども、物語の主軸となるテーマは、そこにあるわけではない。
そう感じた裏付けではないですが、映画を観終えた後に読んだインタビューにおいて、原作者は、この『聲の形』という作品はコミュニケーションとディスコミュニケーションが題材の物語で、「いじめ」や「聴覚障害」は「人と人とが互いに気持ちを伝えることの難しさ」というテーマを読者に気付かせるためのモチーフであって、本題ではないと答えています。

とはいえ、題材として「障害」を取り上げるというのは、かなりセンシティヴ。
一歩扱いを間違えると大変なことになってしまいかねないわけですけれど、そこは何とか問題無く仕上げられたかな、という感じ。
「障害」を持つということは、それもまた「個性」なのだ、として、特別扱いをせずに本気と本音で生の感情をぶつけるように接する。
それが正しいことなのかどうかは私には分からないのですけれど、障害者との関係をどのように築いていくかの、1つの答えなのかもしれません。

コミックス全7巻という量の原作を、2時間という上映時間で描ききろうとするのは、誰が考えても無理がある。
というわけで、この映画盤は、原作の色々なところを結構大胆にオミットしていて、その分、かなりマイルドになったという話も聞きます。
一方で、そうやって様々なものをそぎ落としたことで、却ってテーマそのものをくっきりと浮かび上がらせることになったという部分も、あるのではないかとも思えます。
その上で、劇場で観ている際に色々と疑問に思ったり違和感を覚えたところも、マンガを読めば解消される可能性が高いのではないかと考えれば……。
良い映画、良い作品になっていましたし、これは、その辺を確認する為にも、早速原作を購入しなければならない、か。

『シン・ゴジラ』 といい 『君の名は。』 といい本作といい、2016年の夏は、Blu-ray が出たら買うことにしようと思わせてくれる映画が多い、当たり年ですね。


公式サイトは こちら から。



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