「11人いる!」

 2016-05-14
今回の、「本館」更新に先がけて紹介する読了本に選んだのは、萩尾望都の『11人いる!』。
何でまたこれを今になって読み返したのかについては、つまり、5月2日に書いた武蔵野市立吉祥寺美術館で開催中の企画展「萩尾望都SF原画展 宇宙にあそび、異世界にはばたく」(会期は今月29日まで)に行ったことがきっかけ。
その展覧会に置いて本作を含め様々な作品の原画を見て、これは、私の持っている萩尾作品を、ちょっと読み返したりした方がいいかなと思ったのです。
で、とりあえずは短めの作品から読もうかなということで、選んだのが、この『11人いる!』だったという次第。

ちなみに私の持っている小学館コミック文庫版は、1975年発表の表題作と、その続編で翌1976年に発表された「東の地平 西の永遠」と、1977年発表の連作短編「スペース ストリート」という、シリーズ3作品を文庫にまとめたコンパクトな本。
絵のサイズが小さくなることを気にしなければ、場所も取らなくて非常にお買い得だとも言える1冊です。

さて、初出時にどうだったかはともかくとして、今の目で読むと、扱っている題材もストーリーの仕掛けも非常にオーソドックスな作品ですよね、本作。
そのせいで、わりと序盤の辺りでオチまで想像がついてしまうものではあるのですが、120ページ程度にコンパクトに上手くまとめていますし、まだまだSFマンガを少女誌に掲載することへの敷居が高かった時代に、こういうしっかりしたSFを描いたということ、萩尾望都自身が以後様々なSFマンガを発表して行くきっかけになったことだけでなく、同じ少女マンガ家の仲間や後輩に、SF作品を発表できる道を開いたということも含め、やはりエポックメイキングな作品であり、間違いなく傑作です。

まぁ、70年代半ばの作品なので、どうしても絵柄や演出については古臭さが出てしまうのはやむを得ません。
ネットで見た「絵が下手だ」とレビューを書いていた人などは、その辺がどうしても合わなかったんだろうなと思います。
特に、ギャグの入れ方とかデフォルメのやり方とかは、いかにも時代を反映していますからね……。

8月の某国家試験が終わったら、現時点で所有しているもう他の萩尾作品を読むと同時に、最近の作品、例えば『バルバラ異界』辺りも読んでみよう、かな?
そんなことを考えたりもしています。

 11人いる!
 (1994/12/10)
 萩尾 望都
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