「シャーロック・ホームズの不均衡」

 2016-05-01
いわゆる本格ミステリーと呼ばれる作品に、しばしば登場するのが密室殺人。
私もわりと好きな方ではあるのですが、トリックの為のトリックというか、何でわざわざ密室にしなければならなかったのかが良く分からない作品も、中にはありますよね。
そこも含めて楽しむものだろうと言えば、確かにそれはその通りなのですけれども……
しかし、まぁ、どうしてもそこは気になってきます。

そんな密室殺人について、犯人が密室を造りだしたのか、そうすることで何をやりたかったのかという意図を、作中で明確に理由づけているのが、今回「本館」に先がけて紹介する読了本に選んだ、似鳥鶏の『シャーロック・ホームズの不均衡』。

裏表紙のあらすじ紹介から一部を抜粋すると、これは、「名探偵の遺伝子群を持つ者」が「その推理力・問題解決能力から、世界経済のカギを握る存在として、国際的な争奪戦が行われて」いるということを基本設定にしている作品です。
その「保有者」に該当する両親を殺人事件で亡くした小学生の妹とその兄が、「保有者」を巡る謀略に巻き込まれながら幾つもの殺人事件を解決して行くというのが概ねのあらすじ。

ここまでの説明で、本作がなぜ「密室」に根拠を与えているのか何となく察しがついたという人もいらっしゃるかもしれません。
が、一応ネタバレの範疇に入ることかなと思うので、ここでは明言はさけておきます。
個人的には、その辺りはもう少し踏み込んで、いっそ密室ものを揶揄するくらいの勢いで書いてきてくれても良かったかなと思いますが、ともあれ、これはこれでかなり楽しく読めました。
やや強引な設定や展開も、そういうものと思って最初から読む分には、どうということはありませんし。

 シャーロック・ホームズ
 の不均衡

 (2015/11/19)
 似鳥 鶏
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