「黄色い水着の謎 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」

 2016-04-25
ユーモアミステリーとしては2作目。
クワコーこと桑潟幸一の物語としては3冊目となる、奥泉光の『黄色い水着の謎 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』が、今回「本館」に先がけて紹介する読了本。

ちなみに、前回の3エピソードに対して今回収録さているのは2エピソード。
そこはちょっと残念だったのですが、情けなさが極まって愛嬌となっている駄目人間な准教授、クワコーの魅力が今回も大爆発している1冊となっていました。

ところで、クワコーの在り様は大学教員として客観的に考えれば相当に酷いものですよね。
けれど、このシリーズを読んでいると、何だかそれも許せてしまうのは奥泉光の文章力の成せるわざと言って差し支えないでしょう。

なお、実際にここまでどうしようもない大学教員がいるかどうかは分かりません。
さすがにここまでは無いだろうと思いたいところではありますが、その一方で、これは普通にいそうだなというような部分もあって、その辺は実際の大学関係者の方々の意見を聞いてみたいところです。
とはいえ、そういう人達は、例えクワコーのような大学教員が自分の勤務先にいたとしても、間違ってもそれを肯定するようなことは言えないでしょうけれど。
人間としては、自堕落でどうしようもないところも含めて愛嬌とすることのできるクワコーだとしても、もしも実際に彼の日本文学の講義を、私自身でなくとも身内の誰かが受講しなければいけないとなれば、さすがにそれは勘弁してほしいですしね。

どうやら奥泉光はこのシリーズの続きを書く構想があるようです。
かなり面白い作品でしたから、これは是非、実現してほしいものです。

 黄色い水着の謎
 桑潟幸一准教授の
 スタイリッシュな生活2
 (文春文庫)

 (2015/4/10)
 奥泉 光
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