カンチェ、最後の「北のクラシック」

 2016-04-11
北のクラシック最終戦となるパリ~ルーベは、「クラシックの女王」という優雅な呼び名がある一方で、状態の悪い石畳が連続するという悪路である故に「北の地獄」とも称される、非常にタフなレースです。
長い歴史を誇る伝統のレースであることに加え、そのようなコースであることもあって、ここでの勝利は非常に名誉あるものとされます。
自身の脚質、走りのタイプがこのレースに対して向いているか否かというのはともかくとすれば、先週行われたツール・ド・フランドルと同様に、自転車ロードレースをしている者であれば誰しも、そこでの勝利を夢見ずにいられない大会の1つです。

雨による悪コンディションも予想された今年の大会は、しかし幸いにも好天に恵まれました。
しかし、前日までの雨で石畳には泥が一部たまっており、さらに序盤から逃げを許さない非常に速いペースで終始展開が続いていたということもあって、レースはいつも以上にタフな展開となりました。

そんな中、石畳区間で発生した落車により集団が分断されたことで優勝候補が割れ、優勝最有力候補のファビアン・カンチェラーラと北のクラシック連勝中で絶好調であるピーター・サガンが後方に取り残されてしまう事態に。

抜け出したグループにはトム・ボーネンを始め、イアン・スタナードやセプ・ファンマルクという、これまた優勝候補の選手がいた為に、そのまま差を広げるべく彼等は力走。
何とかこれに追いつこうというカンチェラーラも、途中の石畳区間で落車してしまいました。
そこを何とか抜群のバイクコントロールでかわすことができたサガンも、結局、先頭との差を詰めることはできません。

そんな、第114回を数えたこの大会は、最後に競技場ベロドロームでのスプリント合戦に。
そこで最初にゴールラインを切ったのは、なんと、最後まで残った5人の中では一番勝利に遠いと思われていたオリカ・グルーンエッジのマシュー・ヘイマン。
私が一番応援していたエティックス・クイックテップの(この大会最多勝である4勝という記録を誇る)「ベルギーの王様」トム・ボーネンは、結局2位に。
ボーネンも引退の言葉が日々近付いてきていますし、ここは是非ともこの大会を制してみせて優勝記録を今の4勝から単独首位の5勝まで伸ばしてほしいと思っていたのですけれど……

まあ、これが勝負、ですよね。

むしろ実力が衰えているのではないか、もうボーネンは終わったのではないかと、考えたくないことを思わされつつあった中、いやいやまだ終わってはいないよ、ということを見せてくれたボーネンには勇気とやる気をもらった気がしています。

ひとまず、今はこう言いましょう。
おめでとう、ヘイマン。

そして、自身の落車により勝利の目を完全に無くしてしまったカンチェラーラは、それでもリタイアすることなく、最後のパリ~ルーベを最後まで走り切りました。
彼が特に思い入れの強い大会でしたし、何があっても途中で投げ出すということは、考えもしなかったのでしょう。
これでもう、北のクラシックを走るカンチェラーラの姿を観ることが無いというのは残念ですが、彼にも、感謝の気持ちを捧げたいと思います。


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