忘れることのできないであろう 2 days

 2016-03-22
今では吉良知彦と小峰公子の夫婦2人からなるバンドになっているZABDAKは、今年が30周年のメモリアルイヤー。
それを受けて、この連休、20日と21日の2日間にわたって、鶯谷の東京キネマ倶楽部で記念ライブが行われました。

今回のライブは2013年に発表された全4曲入り、インストルメンタル主体のプログレ大作アルバムである『Лето есен зима проле е - 夏 秋 冬 春 -』を初めて全曲生演奏するという冒険的な企画と、これまでに発表してきたアルバムからファン投票で1位を獲得した曲を演奏して行くという企画からなります。


初日のライブは、いきなり「夏秋冬春」の通し演奏から。
ただし、順番はアルバムに準拠したものではなくて、「秋」から始まって「夏」で終わる形になっていました。
その理由は特に明らかにはされませんでしたけれど、観客の前で演奏するライブだということを考えれば、この構成の方が盛り上がれるかもしれません。

しかし、いきなり長大なインスト組曲から入ったので、最初の挨拶のMCが吉良さんにより行われたのはライブ開始から、およそ40分以上が経過した段階であり、その時点でメンバーはかなり疲労困憊という、なかなか珍しい状況でした。
いかにもZABADAKのライブだなという感じですね。
そこからアンコールの「遠い音楽」まで、ライブは、全16曲、約2時間半繰り広げられました。
メンバー全員の気合の入り方が並ではなく、これはステージにいる面々も充実して楽しいだろうけれども、かなり疲れまくりそうだなと思って、(客席にいる私もそうですが)決して若いとは言えない面々だけに、明日は大丈夫かな、と、この時は、わりと軽~く考えていたのです。
翌日に何が起きるかを、知りもせず。


迎えた21日、第弐夜はゲストも豊富に歌モノメインのプログラム。

その第1部は弦楽合奏団の斎藤ネコカルテットと共演、舞台のセッティング変更中の第2部は、ブリッジ的に日比谷カタンが自由奔放なZABADAKメドレーをギター弾き語りで独演するという趣向。
なる程、上手い構成だなぁ、なんて思っていたら……
カタンさん迫真のプレイ中、楽屋のある方から、何かを落とすような音と、「マズい」的な声が聞こえてきた気がしたので、何かがあったのか、と不安になってきていたら、カタンさんの演奏が終わったところで、予定外に照明が点灯。
システムトラブルが発生したということで、急きょ、休憩時間が差し込まれることになったとのアナウンスとなりました。
さっきの音は、さてはソレか、と。
ただ、その案内をしにステージに上がったのがバンドメンバーである 向島ゆり子 であって、吉良さんでも小峰さんでも無かったところに、さらに心配を煽られていたところ、30分くらいして、小峰さんがステージに出てきて状況を説明。

なんと、カタンさん オンステージ の中での舞台のセッティング変更中、一時的に楽屋に下がっていた吉良知彦が急に体調を悪くしてステージに立てなくなったとのこと。
続報から察するに、やはり、あの時に聞こえたアレは、吉良さんが倒れた際のものだったようです。
彼は大事を取って病院に向かったということで、その対応に時間がかかり、また、残りのステージをどうするのか他のメンバーは悩み、議論をしていたから、休憩時間が長くなったのでしょう。

その夜の一番の中心となるべき存在であり、30周年の主役でもある吉良さんが不在となったのですから、ここでライブは中止となっても、不思議はありません。
心配こそすれ、文句を言う観客も、おそらくはいないでしょう。

それでもせっかくチケットを買ってくれた満員の観客に応える為、そして30周年を祝いに来てくれた大勢のゲストへの感謝等もあってでしょう、小峰さん他メンバーは、吉良さん抜きでも、自分たちだけでできるところまでライブを継続する、ということを選択したとのこと。
そして、ファンはそれを拍手で後押し。
もちろん、吉良さんの具合が心配なのは誰も同じです。
が、この事態を一番悔しがっているのは誰よりも彼だろうと思えば、誰もがライブをそのまま成功させようと願い、その気持ちは一つとなっていたのではないでしょうか。

例えば原マスミさんをゲストに迎えての「小さな宇宙」の時の、観客から提供されたギターのコード譜とか、突然のご指名にも関わらず「五つの橋」で見事な歌&プレイを聴かせてくれたカタンさんとか、その他にも、今後、語り草になりそうなシーンがいっぱいの、この第弐夜。
想定外の事態。
そんな中で予定にない編成変更を加えつつ、時間いっぱいになるまでそのまま続けたこの日のステージは、こういう言い方が状況に対して適切かどうかはともかくとして、まさしく伝説になったライブと言えましょう。
ステージ終了の時に駆け寄ったスタッフに、病院に行った吉良さんには、特に問題がなかったことを告げられ、安堵の為か、ライブ中はこらえていた涙が、思わず流れる小峰さん。
それを見ている私も、ホッとしました。
その後、彼女のツイッターには、吉良さんと一緒に帰宅した旨の書き込みがありましたから、体調不良と聞いて私が一番心配した、心不全や脳溢血というようなことにはなっていなかったようで、安心しました。


とんでもないトラブルの発生となった今回のライブ。
それでも最悪のことにはなっていなかったようですし、間違いなく記憶に残るライブでした。
吉良さん、とりあえず、絶対に無理はせずに、ゆっくり、じっくり、体調を回復させてください。

 Лето есен зима проле е
 - 夏 秋 冬 春 -

 (2013)
 ZABADAK
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