「砂星からの訪問者」

 2016-03-19
今回、「本館」に先がけての読了本紹介に選んだ小川一水のSF小説『砂星からの訪問者』は、タイトルにそうと謳っておらず、判型も違っているのですが、2013年に発表された『臨機巧緻のディープ・ブルー』の続編です。

地球人類が宇宙に送り出している異星文明調査艦隊と、記録カメラマンとして名を挙げたいと志す青年。
この組み合わせが地球人類にとって未知の異星人とコンタクトする、という枠組みと、主な登場人物は前作からそのまま引き継いでいます。

大きな違いは、前作が艦隊が調査任務の途中で出会った異星文明との接触を描いていたのに対し、今回は向こうから地球人類側に接触をしてきたということ。

異星文明とのコンタクトものというSF的に王道のネタで作品を書く場合には、どういう異星文明を、そして異星人を描くのか、それがどれだけ魅力的なものになるのかが大きなポイントになると私は思っています。
これについては、多くのSF好きに同意してもらえるのではないでしょうか。
その点でなかなかの高印象だった前作を越えられるか、越えなくとも同等のところまで到達できるかが本作のミソだなと思って読み始めてみたら……
いや、これはまた面白い。

今回は表紙イラストにもなっている、猫型宇宙人が接触の相手。
実のところ、そこから想像できるような種族的な特性があったりするところは非常にベタなのですけれど、そのベタさをしっかり物語の中で生かすことができているなと感じました。
こういうのは、小川一水という人はほんとうに上手いですね。

物語の「これから」に繋がるであろうネタもありますし、これは、このシリーズもこのまま3冊目、4冊目と続いて行くのでしょうか。
だとしたら、それはちょっと楽しみです。

 砂星からの訪問者
 (2015/8/7)
 小川 一水
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