「ヴィンランド・サガ」 第17巻

 2016-01-24

今回の、「本館」に先がけての読了本紹介には、幸村誠の『ヴィンランド・サガ』第17巻を選んでみました。

父を殺した仇への復習に凝り固まって人の命を躊躇なく奪い続けていた過去への悔恨。
奴隷に身を落としての生活の中で育ったその気持ちから、争いの無い平和な国を造ろうと志した主人公のトルフィン。

伝統的なヴァイキングの価値観からいえば、戦いの中で相手の命を奪うことは罪でもなんでもないですし、戦いの中で命を落とした戦士は神の国へ行けるとされていたわけです。
しかし、その価値観に従って生き、他人を殺めた事実は、それが自分の属する集団、自分の生まれ育った一族の中では正しいとされることであったとしても、彼を苛んで止まない。
罪には罰が与えられる、というのが世の定めであれば、ここでトルフィン自身のことを父と家族の仇と狙う者が出てくるというのは物語の必然だったのかもしれません。
その結果がどうなるのかは実際に本作を読んで確かめていただきたいところですが、まぁ、この先もストーリーは続いていくことを踏まえれば、その辺は読まずとも察せられるかもしれませんね。

こういう流れで主人公に安易な救済を与えることは作品が陳腐になるだけですけれど、その辺は、(定番の展開をトレースしているようなところはあるものの)無難に切り抜けた、という感じかな。
これを受けて次の第18巻の物語をどう展開して行くか、そこが本作にとって非常に大きなポイントになる気がします。

 ヴィンランド・サガ(17)
 (アフタヌーンKC)

 (2016/1/22)
 幸村 誠
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