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「この恋と、その未来。 -一年目 冬-」

 2015-10-28
広島にある全寮制高校で、同室になった性同一性障害のクラスメイトに対する主人公の揺れ動く思いを描いて行くシリーズの第3巻。
それが、以前に第1巻第2巻をこの「別館」で紹介している、森橋ビンゴの『この恋と、その未来。 -一年目 冬-』です。

前2冊同様、今回も、微妙な心の機微を丁寧に描いている内容となっていて、非常に面白かったです。
正直なことを書くならば、第1巻を読んだ時に私は「これは確かに面白いけれども、この感じでこのペースで、どこまでワンパターンにならず読者を飽きさせずに書き続けられるかな」と思っていました。
その点については、まだ第3巻、高校入学から1年間が経過しただけなのでこの段階で結論を出すのは早急に過ぎるとはいえ、ここまではいい感じで進められていると思います。

ただ、マンネリ感が全く感じられないのかと言えば、残念ながらそういうことはありません。
正直、このテンポ、この進捗度で、主人公が高校を卒業するまであと2年間分を続けられるのかという疑問はあります。
この月末に発売される第4巻の『~ -二年目 春夏-』(同社 同文庫)は、そういう点からもかなり重要な位置づけとなるものだと言えるのではないかという気がします。
どんな感じになっているのか、これは、早急に読んでみなければなりませんね。

なお、前巻において、ルームメイトへの想いを振り切る為に主人公が告白を受け入れ恋人関係の関係となった登場人物がいるのですが……
その彼女への主人公の振る舞いが(そうなってしまうという感情は分からなくはありませんが)ちょっとアレなので、それがどのような結果を招くことになるのか、ここも、怖いもの見たさもありつつ、気になるところです。
まぁ、この不安定な関係が最終的に破綻するにしろしなにしろ、それは第4巻で起きることではなくて、もうちょっと後なのではないかという気がしますが。

 この恋と、その未来。
 - 一年目 冬 -

 (2015/5/30)
 森田 ビンゴ
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