「蝶が舞ったら、謎のち晴れ 気象予報士・蝶子の推理」

 2015-10-09

喫茶店主だったり書店員だったり、警察や探偵事務所などの本職以外のところで働いている人が名推理を働かせて事件の謎を解く、というのは昨今のライトミステリーの流行りですよね。
いやいや、そういうのはずっと昔からあったから、何も今になって出てきたものではないよ、という人もいらっしゃるでしょう。
ですが、幾つかのヒット作が出たことを受けて、業界的に似たようなものが乱発している、そういうのが昨今のトレンドになっている、ということは否定されないのではないか、と思います。

そんな中の1つが、今回「本館」に先駆けて紹介する読了本として選んだ、伊与原新の『蝶が舞ったら、謎のち晴れ 気象予報士・蝶子の推理』(新潮社 新潮文庫nex)。

本作において探偵役を務めるのは、タイトルにもあるように気象予報士の女性。
彼女は大学で気象学を学んだ後に気象情報会社に就職し、数値予報用のプログラム開発をしていたのですが、社命によりTVの天気予報にいわゆる「お天気お姉さん」として出演することになります。
ただし、本人は「天気予報なんて、どうでもいい」という考えの持ち主の流体力学マニアなので、仏頂面のまま面倒くささを隠しもしないで予報を読み上げるという、特異な天気予報となっています。
かなり強烈な性格の持ち主で、それはどうなんだろうという言動もあるのですが、そこが魅力と言えなくもない、読者ウケ的なことは一切考えらていないヒロインです。

そんな彼女に自分の抱えている依頼案件について相談をするのが本作の主人公の私立探偵。
この2人は幼馴染という設定で、扱われるのは、基本的に、いわゆる「日常の謎」系のもの。
両者の関係性、距離感から来るやりとりの面白さなどが本作の読みどころであり、なかなか楽しく読ませてもらいました。

 蝶が舞ったら、謎のち晴れ
 気象予報士・蝶子の推理
 (新潮文庫nex)

 (2015/7/29)
 伊予原 新
 商品詳細を見る

タグ :
コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:

http://pantarheibekkan.blog110.fc2.com/tb.php/1494-e3ca7e7f

≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫