最終勝者は、ファビオ・アル

 2015-09-14
2015年のブエルタ・ア・エスパーニャが終わりました。

今年のグラン・ツールの最後を飾るこの大会は、例年以上に激しい戦いが繰り広げられる、まさしく大熱戦と呼ぶに相応しいものでした。
なにしろ最終日直前の第20ステージ開始時において、1位と2位のタイム差はわずか6秒しか無かったのです。
この大接戦に決着をつけた第20ステージは、スタートから4つの1級山岳を越えていくという、全長175.8kmの非常にタフなコース設計。
ステージ開始時に総合首位の座にいたジャイアント・アルペシンのトム・デュムランは、そもそもタイムトライアルを得意とする選手であり、体格的にも走りのスタイル的にも、こういった山岳は決して得意ではありません。
それでも、これまでのステージで数多くの山岳をライバル達に喰らいついて何とかこなしてきたのですが、ついにこの第20ステージで力尽きてしまいました。
結果、ここで大きくタイムを失った彼は、総合6位という成績でブエルタを終えることに。

変わって最終日に表彰台の中央に登ったのはアスタナの若手、ファビオ・アル。
彼は今年のジロでも総合2位に入っていますから、このブエルタでその悔しさを晴らしたことになります。
そして2位には、私の好きな選手の1人であるチーム・カチューシャのホアキン・ロドリゲスが、3位にも私が将来に期待している若手、ティンコフ・サクソのラファ・マイカが、4位にはツールで2位になったモヴィスターのナイロ・キンタナが入るということに。
……これ、36歳のホアキン以外は、みんな25歳か。
そういえば、5位に入ったオリカ・グリーンエッジのエステバン・チャベスも、上記、6位のデュムランも、25歳です。
1990年生まれ(マイカのみ1989年生まれ)はゴールデン・エイジと呼ばれていますが、これは本当に、その年に何かあったではないのか、と、思ってしまいますね。
ここに名前が挙がっていない中にも、1990年生まれで、素晴らしい成績を獲得することに成功している選手もいるしなぁ。

ポイント賞は、最終日の中間スプリントで点を稼ぎ、ホアキン・ロドリゲスとの順位を逆転してみせたモヴィスターのアレハンドロ・バルベルデ。
総合では1位のアルから6分47秒遅れの7位と、目指していた優勝や最終日の総合表彰台こそ逃してしまいましたけれども、ポイント賞ではしっかりと表彰台を確保したことになります。

山岳賞は主催者枠のワイルドカードで出場した地元チーム、カハルラル・セグロスエレヘアーの若手オマール・フライレが、山岳の多い2つのステージで逃げグループに参加して効率的にポイントを稼いで獲得。
カハルラルは昨年のルイス・レオン・サンチェスに続き、チームとして2年連続の山岳賞となりました。
なお、この人も、1990年生まれの25歳だったりします。

また、3賞の順位を足して一番数字が少ない選手に与えられることになるコンビネーション賞は、個人総合とポイント賞が2位、山岳が12位の合計16ポイントで、ホアキン・ロドリゲスが獲得しています。
総合優勝を逃したのは残念でしたけれど、ステージ勝利もきっちりと挙げていますし、彼にとっても素晴らしいブエルタになったのではないでしょうか。

ちなみに、ユーロップカーの新城幸也は全21ステージを完走。
2つのステージで逃げに乗ってステージを狙ったり、アシストとしてチームメイトの為に献身的に働いたりと、見せ場を存分に作っていました。
これで日本人としては、始めて3大ツールを完走したという名誉を得ていますし、最終総合順位も61位と、なかなかのものです。

記録ということでは、ロット・ソウダルのベテラン、34歳のオーストラリア人アダム・ハンセンも、3大ツールの連続出走&完走の記録を、なんと13大会にすることに成功しています。
ハンセン、いったいどこまでこの記録をのばしていくのでしょうか。
まずは、来年のジロが楽しみです。

並走しているメディアやオフィシャルのバイクに選手がひっかけられてしまったり、チームカーに掴まって走ったことでアスタナの
ヴィンツェンツォ・ニーバリが失格となったりと、なんとも色々なことがあった今年のブエルタ。
3週間というのは長いようですけれど、終わってみるとあっという間でした。
最後の最後まで勝負の行方が一切分からない、目を離すことのできない戦いだったという点で、ジロやツールを興奮度で大きく上まわる、近年まれに見るくらいの面白さのある大会だったのではないでしょうか。


<公式サイトはこちらから>
タグ :
コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:

http://pantarheibekkan.blog110.fc2.com/tb.php/1486-883f17c4

≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫