「美森まんじゃしろのサオリさん」

 2015-09-12
今回、「本館」に先がけた読了本紹介に選んだのは、小川一水の『美森まんじゃしろのサオリさん』。

これは、雑誌『小説宝石』等に掲載された連作短編「町立探偵〈竿竹室士〉シリーズ」の「まんじゃしとのふしみさん」「いおり童子とこむら返し」「水陸さんのおひつ抜き」「教母ヶ谷の武者烟」に、書下ろしの「三森まんじゃしろの姫隠し」を加えて単行本化したもの。
大学受験に失敗して時間を持て余していたところを、亡くなった祖母の住んでいた家を管理する人間が必要だということで、限界集落ギリギリの町に移り住むことになった主人公の青年が、町役場からのあっせんで「町立探偵」という名の何でも屋をする過程で、自称女子大生の地元の女性と一緒に様々な謎を解いていく、という趣向の話となっています。

お社を中心に伝わっている民間伝承・民俗学的な題材。
古くからそこに暮らしている住民と新たに移住してきた住民の関係。
テクノロジーと田舎の生活。
そういったようなものが描かれていて、題材的には少々ありきたりではあるのですけれど、小川一水らしく、さりげに近未来的技術を取り入れてSFの味付けをしているのが、ミソでしょうか。

本作は、ヒロインがなかなか面倒なキャラで、この人の行動原理に納得……とまでは行かないまでも、理解ができるかどうかが、評価の分かれ目になりそう。
私は、というと、分からなくはないけれど、共感はできない、というところでしょうか。
面白く読ませてもらっては、いるんですけどね。

小川一水に関しては、積読になってしまっている作品がまだいくつかあるので、それも早めに読まないと、なぁ。

 美森まんじゃしろの
 サオリさん

 (2015/06/18)
 小川 一水
 商品詳細を見る


タグ :
コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:

http://pantarheibekkan.blog110.fc2.com/tb.php/1480-32f2204d

  • 小川一水 『美森まんじゃしろのサオリさん』【こみち】
      JUGEMテーマ:読書感想文    表題にある「まんじゃしろ」の「まんじ」とは、「卍」のこと。   だから、仏教的な寺院を指す。   そして、「まんじゃしろ」の「しろ」は、「社(やしろ)」のことでは   ないかと思います。神仏合習の時代に言い伝え「美森」さんに &...
【2016/03/11 00:05】
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫