今年の勝者は

 2015-07-28
コンタドール、キンタナ、ニーバリ、フルームの、4強の直接対決が大きな話題となっていた、2015年のツール・ド・フランス。
そんなツール・ド・フランスが、今年も終わりました。

私が自転車ロードレースという競技を好きになったのは大学浪人時代なので、もうずっと前のことになります。
今の様に、J-Sporsで生中継放送を観るようになったのは、転職を機にケーブルテレビの契約をしてからですから、10年くらい前のことですね。
そんなここ10年ちょっとのレースを振り返ってみて、近年は以前と比べ全3週間のステージ構成に変化が出ているのではないか、というようなことを感じています。
それに加えて、技術的なことや科学的なこと等、色々なことが絡み合って、以前に比べると明らかにレースの傾向が変わってきたというように思うのです。

最初の1週間は、逃げ切りを狙う一部チームの挑戦とスプリンターによるゴールスプリントが中心の、総合争いとしては比較的のんびりしたもので、ピレネーもしくはアルプスで2~3日のちょっと厳しい山岳ステージがあった後は、再び移動区間の平坦ステージがあって、もう一度山岳ステージが2~3ステージ、そしてパリに向かって移動する平坦ステージ、最後はシャンゼリゼでのスプリント合戦というのが、私が熱心な観戦を始めた頃のツールのイメージでした。
今は、TV放送などを介したマーケットの拡大やアメリカ的なショーアップの考えの導入もあったのか、全21ステージの日程全般にわたってスリリングな勝負が繰り広げられるようなコース設定にしている感じです。
それが果たして良い事なのか悪い事なのかは単純に決めたりできないことなのでしょうが、その結果、レースの質が変わってきたのは明らかと言っていいでしょう。
そういう印象を強く覚えた今大会でした。

それにしても、今年のツール・ド・フランスは、「酷暑」というのが相応しいくらいの熱さに襲われたステージが多かった。
熱さで集中力が損なわれるのも当然で、序盤から落車が多かったのもその影響もあったでしょうし、今年の勝負の行方を左右した、非常に大きな要素が、この「酷暑」だったと思います。


そんな厳しかった3週間を終えて総合首位のマイヨ・ジョーヌを手にしたのは、チーム・スカイのクリストファー・フルーム。
第1回目の休息日明けだった第10ステージ、ピレネー山脈での今大会初の超級山頂ゴールでライバル達を突き放す圧巻の登坂を見せた彼。
そうして総合首位の地位を大差で手にした後は、得意としているチームワークと安定した走りで終盤のアルプスまでは危なげなく首位をキープ、しかしアルプスではそれまでの隙の無い登坂から一転して調子を落としピンチになりながらも、なんとかそれまでのリードの範囲内でライバルを抑え込み、逃げ切りに成功することとなりました。

スプリント賞のマイヨ・ヴェールはティンコフ・サクソのペーター・サガン。
昨年に続き今大会でもステージで1勝もできないままこの賞を受賞したサガンではありますけれども、スプリントステージ以外でも積極的な走りを見せ、特に第14~17ステージでは4日連続で果敢な逃げに乗り中間ポイントのみならずゴールスプリントでもきっちりと上位1ケタでゴールしてポイントを加算していたので、これは誰が見ても彼が最強だったと言えるでしょう。
チームエースのアルベルト・コンタドールのアシストも献身的にこなしていましたし、彼の選手としての実力の高さを改めて世界に示したツールになったと思います。

山岳賞のマイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュ(マイヨ・グランペール)は、終盤のアルプスで総合上位勢が非常に熱い戦いを繰り広げた結果として、ここに焦点を合わせていたクライマー他の選手では無く、総合首位のフルームが獲得しています。
2級~4級の山岳ポイントが著しく低いのと、山頂ゴールだと獲得ポイントが2倍になるという、現行の山岳賞ポイント制度の弊害とも言える結果だとも言えるのですけれど、この辺りは、まだまだ改革の余地があるということ、かな?

新人賞のマイヨ・ブランは、総合2位、終盤のアルプス山岳ステージではフルームを大きく苦しめる快走を見せたモヴィスターのナイロ・キンタナ。
もちろん彼が欲しかったのは、本来はこれではなくて総合優勝の黄色いジャージだったわけですが、しかしこれも大変な名誉であることは間違いありません。
彼が総合でもフルームを脅かす強い走りをしたからこそ、2位以下の選手に大差をつけてこの新人賞を獲得できたわけですしね。
むしろ、キンタナが新人賞の対象になることが何だかずるいような気にもなりますが、これは「新人賞」とはいいながらも実際は25歳以下で一番成績のいい選手に与えられる賞なので、例えば2012年から連続してツールに出場して毎年ポイント賞を獲得している上記のサガンも、実はまだ新人賞対象者だったりします。


以上が、2015年のツールの主だった結果です。
この世界にも世代交代の波が(徐々にではありますが)押し寄せつつあるのがここ数年の現状ですから、来年はどうなるのか、どんな選手が活躍するのか、どんな走りを観ることができるのか、今から楽しみです。
今年は総合2位に終わったキンタナも、そう遠くなく、シャンゼリゼでマイヨ・ジョーヌを着て表彰台の中央に登ることができるでしょう。


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