「のの湯」

 2015-06-15
釣巻和の『のの湯』第1巻は、田舎から上京してきた若き女性、鮫島野乃が、浅草で人力車夫として働きながら、家賃月額4万円、トイレ台所共有の風呂なし下宿「湯毛荘」の友人達と各地の銭湯を巡る、という物語。
これといって大きな出来事があるというわけでも無い、いわゆる日常モノの作品になるわけですが、釣巻和のちょっと古臭いところや野暮ったさもある絵柄が作品にマッチしていて、かなり面白く読ませてもらいました。

こういう作品は、そこで取り上げられている店や場所……本作に関して言うならば銭湯ですが、読者がそこに実際に行ってみたいという気になるかどうか、というのが、ひとつ大きなポイントになりますよね。
その点でも、本作はバッチリです。
なお、女湯のシーンが多いということで、もしも本作にちょっとしたエロスを期待する人がいるとしたならば、残念ながらその見込みは外れです。
本作に出てくる女性の裸は、とにかく「健康的で健全である」ということに尽きます。
作品全体の雰囲気が、のんびりと落ち着いたものになっているのは、それも大きな要因と言っていい、かな。

野乃は過去に地元で、友人絡みで何らかの心残りとなるような出来事を経験しているような描写が、作中にあります。
それがどういったものなのかというようなことが、この物語の背骨となるのでしょう。
Web連載である本作の更新ペースは遅めのようですし、その辺のことが明らかになってくるのは、まだまだ先のことになるのでしょうけれど、これは、続きが大いに楽しみになる作品です。

すっかり気に入ってしまったので、今回の、「本館」更新に先行した読了本紹介には、この作品を選んでみました。

 のの湯 第1巻
  (少年チャンピオン・コミックス・タップ!)

 (2015/06/08)
 釣巻 和
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