「アルジャン・カレール ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~」

 2015-06-06
今回、「本館」に先がけた読了本紹介に選んだ野村美月の『アルジャン・カレール ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~』は、フランス革命とアントナン・カレームをモデルにした作品。

もちろんカレームの人生を単になぞったものでは無くて、そこにラノベ的な細工を色々と加えているのがミソです。
無口で無愛想な菓子職人の異色の経歴は現実にはあり得ないようなものではありますけれども、ラノベ的には大いにアリですよね。
カレームがモデルになっているだけあって、物語は最後、ウィーン会議を模した国際会議を舞台としたエピソードで終わることになります。
「会議は踊る、されど会議は進まず」とも評され9ヶ月以上に渡って続いた(結局、ナポレオン・ボナパルトのエルバ島脱出という大事件が起きるまで進展を見せようとしなかった)同会議ほどにグダグダなものにはなりませんが、しかし、基本的なラインは一緒。
しばしばフィクションの中では「愛が世界を救」ったり「歌が世界を救」ったりするものですが、それが全くもって理想論の夢物語である、と私が言い切ることもできないのは、ウィーン会議でカレームが果たした役割という実例を(ほんのちょっと聞き齧っただけとはいえ)知っているからです。
そういう史実を引き合いにしている本作、果たしてカレールの創る菓子は、世界を変えることができるのでしょうか。

まぁ、その辺は実際に本作を読んでみて確かめていただくとしましょう。
なかなか面白い作品でした。

 アルジャン・カレール
 ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~
 下巻

 (2014/10/30)
 野村 美月
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