「百日紅 ~Miss HOKUSAI~」

 2015-05-13
原恵一監督、Production I.G. 制作の映画、『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』を観てきました。

杉浦日向子の原作は、高い評価を受けている傑作であることは前から知っていましたけれども、本屋でパラパラとページをめくってみて絵柄が今一つ好みに合わなかったので、これまできちんと読んだことはありませんでした。
その為、この映画が原作に忠実なものなのか、大きく脚色が施されたものなのか、そこは分からないのですが……
それを良い方に考えるとしたならば、何の先入観も無く映画に接することができたのだと言うことも、できるのではないかな、と思っています。

もともと監督自身が杉浦日向子の大ファンだったということで、思い入れも存分に制作されたこの映画、原作に余計な改変を加えないことを決めていたそう。
実際には一部、変えてきているところもあるようなのですが、それは原作から映画にするエピソードを選び出すにあたり、全体的な話の流れを整える為に行ったものであって、基本的には原作通りに映像化したようです。
統一感を出す為なのでしょう、映画化に際し監督は主人公を北斎の娘のお栄に限定、彼女の視点で語るようにしています。
その上で、妹のお猶の存在を軸にして映画としての背骨を作っている。
とはいえ、短いエピソードの積み重ねからなるストーリーなので、若干散漫な印象になっているのは否定できません。
淡々とした語り口なこともあって、結構な中だるみを感じた部分もありますが、ラストのとあるシーン(ネタバレを避ける為に内容は書きませんけれど)で、「それもまぁ良し」という気になれたというのは、あります。
妹との関係があるおかげで、90分の作品としてまとまった映画、と言ってもいいのかもしれませんね。

色々と辛口なことも書きましたし、ドラマティックなストーリーを映画に求める人にはお勧めできない作品ですが、絵の綺麗さ、描写の良さは保証できますし、物語りとしてもなかなかじんわりとさせられて、個人的には、結構好きな作品だったと言えます。
俳優陣の声の仕事は……まぁ、ちょっとアレな部分もありましたけれど。

総じて、いい映画だったと、思います。


<公式サイトはこちらから>

タグ :
コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:

http://pantarheibekkan.blog110.fc2.com/tb.php/1430-bb3f57c8

≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫