「スキュラ&カリュブディス: 死の口吻」

 2014-10-28
今回、「本館」に先行する読了本紹介に選んだのは、相沢沙呼の『スキュラ&カリュブディス 死の口吻』。

本作を一言で評するならば……そうですね、「百合風味の新伝奇」という感じになるでしょうか。
エロ、グロの要素も適度に盛り込まれていて、そういう意味では正統派とも言えそうです。
裏表紙のあらすじには、見出しとして「背徳の新伝奇ミステリ」と書かれていますけれども、謎解き要素はあまり強くはありません。
広義のミステリー、として捉えるのであれば、間違いではなさそうですけれど。

この手の作品はキャラクターの魅力がきちんと出せているかが勝負の分かれ目ですが、メインの2人については、そこは、まぁ大丈夫。
ただ、1つの小説として考えれば、本作、多少の問題が無いわけではありません。

その中で一番気になったのは、ストーリーそのものには関係が無いところでサブキャラに関する設定などが、ちょこちょこと挿入されてきて、しかもそれが唐突で脈絡が無いところ。
そのキャラを主人公にした別シリーズでも構想されているのか、という印象なのですけれども、仮に本作のウケ次第ではそういうことが現実化する段取りになっているとしても驚きませんが、それならばそれで、見せ方というものがあるだろう、と。

『スキュラ&カリュブディス』という作品に関して言うならば、それ等の要素が思わせ振りに入ってくるのが、逆に作品を読むにあたっては邪魔になっていたように思います。
基本的に面白い作品だけに、そこがいかにも惜しかった、という印象の強く残った作品でした。

スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫)スキュラ&カリュブディス: 死の口吻
(新潮文庫)

(2014/09/27)
相沢 沙呼
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