「この恋と、その未来。 - 一年目 春 -」

 2014-09-08
やや重めな作品を読んだ直後などには、一つ、箸休め的な感じで気楽に読めるラブコメ的なラノベを、読もうかなという気分になったりもします。
で、そんな気分になって本屋の棚を物色し、この辺がいいかな、と買ってみたのが、今回、「本館」更新に先駆ける読了本紹介として選んでみた、森橋ビンゴの『この恋とその未来。 -一年め 春-』。

全寮制高校の男子寮で男装女子と同室することになってしまった少年が主人公という、「いかにも」な設定ですし、表紙からも、サクっと気楽に読めそうな印象がしたのです。

が、読み終わってみると、これは思っていた以上にちゃんとした作品になり得る話かもしれないと感じました。

と、いうのも、当然この作品のヒロイン的な位置づけになる、上記男装女子の設定に一捻りが加えられていたから。
良くあるラブコメだと、ここは家の事情(例えば何らかの跡取りとして男子の格好をしている必要があるとか、男子ばかりの兄弟の中で育ったとか、そういうのです)があるとか、もしくはただ単に本人の趣味だとか、そういうことを男装の理由に持ってきたりするものですよね。
ですが、本作の場合、このヒロインは性同一性障害の診断を受けている、というのがミソになっています。
つまり、そういうお約束だよね、というように、なあなあで済まされてしまいそうなところに、きちっとした理由付けをしてきているというわけ。
もちろん、性同一性障害を扱っている先行作品はマンガ等でも幾つもありますから、その点では完全に目新しいとまでは行きませんけれども。

三人の姉にいじられながら育った結果、女性を今一つ苦手とする主人公が、今後このヒロインとどのような生活を送っていくのか。
芽生え始めている淡い恋心の行く先はどうなるのか。
純な青春を描く作品になってくれそうで、これは、ちょっとした拾いモノだったかも。

この恋と、その未来。 - 一年目 春 - (ファミ通文庫)この恋と、その未来。
- 一年目 春 -
(ファミ通文庫)

(2014/06/30)
森橋ビンゴ
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