「ワースト・インプレッション 刑事・理恩と拾得の事件簿」

 2014-08-16
例えば水谷豊が主演の「相棒」シリーズのように、刑事を主人公にしたバディーものというのは、小説、マンガ、実写ドラマその他の媒体を問わず、ミステリーの世界においても定番のジャンルです。

今回、「本館」に先がけて紹介する読了本に選んだ滝田務雄の『ワースト・インプレッション』も、その流れに属する作品の1つになります。

この作品でコンビを組んでいる2人の刑事は、かたや型破りな行動や不遜な口調の持ち主で始末書の常連なものの推理能力は一流という女性刑事、そして彼女をバカ扱いしているが何かと付き合いのいい強面の男性刑事という組み合わせとなっています。
ややキャラクター小説の流れが入っていますが、この手のコミカルミステリーにおいては、ある意味でお約束な設定だと言えるでしょう。

このキャラ設定が上手くハマるかどうかが、こういう作品が面白いものになるかどうかの分かれ目になるようなところがありますよね。
本作はその点では、まずまずなのではないかと思います。

とはいえ、実際にこういう刑事が存在し得るかと問われると……
おそらく、こういう性格でこういう言動の人間は警察組織の中では生きていけずに、早々にドロップアウトするではないでしょうか。
とはいえ、まぁ、そこはそれ、これはフィクションですから。

おそらくシリーズ化をにらんでのことなのでしょうが、2人の出会いを描く第4話のラストでとある人物のとある行動が描かれています。
それが、この作品をこれ1冊で評価しようかという際には、いかにも余計で、個人的にはちょっとマイナス評価。
「先」を見据えて仕込みをしておくことを否定しようとは微塵も思いませんが、シリーズ化が決まっているわけでは無い作品の場合、あくまで「それ1冊できちんと綺麗に終わる」ということを達成した上で、「あるいはこれって……」と思わせるような要素を潜ませておく、というのが、私の考える「あるべき姿」です。

総じて、悪くは無いのですが喰い足りない、というのが、私の感想になるでしょうか。
一応、もしも続編が出たら読もうかなとは思っています。

ワースト・インプレッション 刑事・理恩と拾得の事件簿ワースト・インプレッション
刑事・理恩と拾得の事件簿

(2014/01/21)
滝田 務雄
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