「博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室」

 2014-07-20
次々回の「本館」更新では、さすがに本番直前なので読了本紹介はしない予定なので、読了本先行紹介は、8月の半ばくらいまで一旦休止、ということになりそうです。

そんな区切りのエントリに選んだのが、先々週に『リケジョ!』を紹介した、伊予原新の『博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室』。

上野にある国立科学博物館「科博(かはく)」がモデルの「国立自然史博物館」が、本作の物語の主な舞台。
ここに勤める新人研究員を主人公にしてワトソン役に、ホームズ役には同博物館の資料保管室に住み着いている「博物学者」を自認する変わり者の研究員を配しています。

そもそも博物館、それも科博なみに規模の大きなものともなれば、その収蔵品も多種多様かつ大量になることでしょう。
なので、保管室の片隅に忘れられたかのようにずっと息をひそめて置かれている物とか、寄贈されたはいいものの埃を被っている物とか、幾らでも話のタネ、設定は作れるだろうと思われます。
まさしく物語を作るには格好の舞台だと言えましょう。
収蔵品10点くらいにつき1つのエピソードとしても、面白い話を作れるだけのネタは無尽蔵にありそうです。

その上で、主人公と探偵役の配置を、定番である鉄板のパターンにしてきた本作。
主人公2名の設定に若干のフックを付けて、独自の味付けをしていました。

その上で、薀蓄要素を詰め込んだりはせず、あくまでも一般向けの娯楽小説としてのスタイルを守っているので、単純に読みやすく、さらっと一気に読み切ることができるところあたりは、作者のバランス感覚でしょうか。
個人的には逆にそこが少々物足りなかったり、ラストはもうちょっと盛り上がってもと思ったのですが、全体的に物語として良くまとまっていて面白かったです。

博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室博物館のファントム
箕作博士のミステリ標本室

(2014/01/24)
伊与原 新
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