「回復」では無いでしょう

 2014-07-19
土用の丑の日(7月29日)が段々とせまってきたので、以前から気になっていたことについて、ちょっと書きたいと思います。

先々月あたりから何度か報じられているニュースによると、今年はニホンウナギの稚魚であるシラスウナギの養殖量が大幅に回復しているそうです。

だが、ちょっと待て。
これをそのまま鵜呑みにしてしまうのは、マズイのではないか。

今年が前年の1.8倍と言ったところで、ニホンウナギが絶滅の危機にあることは依然として否めないままなわけですよね。
あくまでこれは、深刻な漁獲量悪化が続いている中での前年比に過ぎないので、資源管理の点では何の参考にもならないでしょう。
むしろ比較対処とすべき時期は、しばしば指摘されているように、せめて漁獲量の急速な激減が始まり出した頃の1960~70年代くらいに求めるべきでしょう。

そう考えれば、今年の状況を「豊漁」とはとても評せないことが分かります。

ニホンウナギ(と、その稚魚のシラスウナギ)については生態も漁獲量が変化した要因も不明のままの状態なので、当然ですが、来年以降どうなるかも分かりません。
国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを絶滅危惧種としてレッドリストに載せると発表した、という報道も先月12日にはありましたし、この状況での楽観視は、あまりに危険でしょう。

資源の持続的な利用という観点で大学の卒論を書いた身として、これは、ちょっと見逃せないことです。
どうもここのところのウナギに関する報道は、受け手のミスリーディングを意図的に誘っているようで、首をかしげずにはおれません。
耳に聞こえが良い側面しか報じないのであれば、それは本当の「報道」と言えないのではないか、なんていうことまでついつい考えてしまいます。

大衆や体制に迎合することが、メディアの役割ではないはずです。

6月1日には、吉野家が鰻丼の販売を始めました。
別に吉野家が憎いとか、そういうことは一切ありません。
けれど、正直、鰻専門店であればまだしも、こういう状況下で広く鰻丼を提供するというのは、経営陣の見識を問いたくなることでは、あります。
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