「夢源氏剣祭文」壱・弐

 2014-03-23
小池一夫の小説を原作にして 皇なつき がマンガ化した『夢源氏剣祭文』。
この作品は、もともと小池書院の雑誌『刃 -JIN-』で連載を開始して、同社からコミックスも1巻が刊行されたものの、掲載誌の休刊により未完のまま宙に浮いてしまっていました(その時に「本館」でも紹介しています)。

それが、角川書店(当時)が2012年6月に創刊した雑誌『サムライエース』に拾われて再開の運びとなった……というところまでは良かったのですが、今度はその『サムライエース』も10冊を発行したところで休刊。
本作はまたしても中断されることになってしまったのです。
それでも、編集サイド及び作者サイドは作品を完結させる道を模索しているということで、まずその為の1つ目の策として、雑誌休刊までの間に描かれた部分が2冊のコミックスとして発売されました。

第1巻は基本的に小池書房で出ていたものと同じなのですが、そこに更にページが追加されるなどの変更が加えられており、そして第2巻は『サムライエース』の連載で新たに描かれていた部分が収録されています。
平安時代を舞台にして、父を探す旅の途中で母と死に別れ、鬼に片耳を食いちぎられたことで自身もいずれ鬼になってしまうという運命を負うことになった少女、茨木の、深い哀切を内包した物語を、まるで御伽草子の絵巻物のような絵柄で描いて行く本作。
ビジュアル的に非常に美しく、読み応え十分です。
これがきっちり最後まで描かれれば、それは即ち傑作の誕生を意味することになるはず。
私は、そう思っています。

作者の 皇なつき さんによると、内容的には本作はコミックスでもう1冊、全3巻で完結となる予定らしいのですが……
その第3巻の部分を描けるかどうかは、ぶっちゃけてしまえば、この2冊のコミックスの売れ行き次第ということ。

今回の「本館」に先行する読了本紹介に『夢源氏剣祭文』を選んだ理由は、もちろんこれが面白いからというのが第一ですが、第二には、このコミックスが一定数の売り上げを確保することの一助になればと思ってのことでもあります。
本当に良い作品なので、何らかの形で第3巻が発売になることを願っているのです。
興味を持った方は、是非、本作を手に取ってみて下さい。

夢源氏剣祭文 壱 (単行本コミックス)夢源氏剣祭文 壱
(単行本コミックス)

(2014/03/18)
小池 一夫
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夢源氏剣祭文 弐 (単行本コミックス)夢源氏剣祭文 弐
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(2014/03/18)
小池 一夫
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