「ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺 5」

 2014-03-12
「本館」に先行して紹介する読了本、今回は、田中啓文の、これを選んでみました。

金髪トサカ頭が特徴である元ヤンキーの新米落語家、笑酔亭梅駆こと竜二を主人公とする、「笑酔亭梅寿謎解噺」シリーズの5冊目にして、最終巻です。

好きなシリーズが終わってしまうのは寂しいですが……
とはいえ、こういうのはむやみやたらにダラダラと続けていても良いことはあまり無いのですから、ここで幕引きとするのはここまでの話の流れから言っても、ちょうどいいくらいのところかもしれません。
物語的にも、最後に大きな出来事があってきちんと盛り上がって綺麗に終わっていますし、まず文句の無い締めくくりと言えます。

それにしても、シリーズを振り返ってみるにタイトル通りに主人公の師匠である笑酔亭梅寿が探偵役となって謎解きをしていたのは、最初の1冊くらいではないかという気がしてなりません。
以前の巻を引っ張り出してきて確認した話ではないので本当のところは断言できないのですが、イメージとしては、そんな感じです。

つまり、当初はミステリとして始まったこのシリーズは、早々にその路線を方向転換して行って、いつのまにか人情系の話に変わって行ったのです。
結果、作品としてつまらなくなるのであれば、それはもちろん論外。
しかし実際はその逆で、結局本シリーズは、「情」をベースとなる題材にした語り口が読んでいて非常に面白く、また心地良く感じられる作品として落ち着くこととなりました。
これは、落語という、そもそも人情味の強い芸能の世界を舞台にしているからというのもあるでしょう。

良い作品、良いシリーズでした。

ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺 5ハナシはつきぬ!
笑酔亭梅寿謎解噺 5
(集英社文庫)

(2013/12/13)
田中 啓文
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