「豚は飛んでもただの豚?」第3巻

 2014-02-16
「本館」に先行する読了本紹介、今回は実に2年振りに続きが出るという、ライトノベルとしては異例なほどのインターバルを挟んで1月末に刊行となった涼木行の『豚は飛んでもただの豚?』第3巻を選んでみました。

新人作家が受賞作とその続巻を刊行して、話としてはまだ続くようなのにそれから先が全く出ない。
これはまさか、どうしても作品が書けないようなスランプ状態に陥って、編集に切られてしまったのかと恐れていたところに、ちょっと唐突にこの第3巻が発売されました。
作者の後書きによると、編集部ともめたとか、書けなくなったということではなくて、どうやら大病を患ってしまったから原稿を書いていられなかったというのが本当のことのよう。
はっきりとした病名はそこでは書かれていなかったのですが、今でも完治をしたわけではない、そもそも「治る」というような性質の病気ではないということのようなので、今後の執筆活動はどうなるものなのかと(本人は最近は体調も安定しているので年内にあと2冊は書きたいとしていますけれど)、それが心配されます。

さて、そんな事情ですっかり間が開いて刊行されることとなったこの第3巻。
特に目立ったイベントも無い普通の青春模様という題材と、徹底した心理描写という、ちょっと最近のラノベらしからぬ地味なところがあるので部数が出なかったのかもしれませんし、作者の病気の影響もあるのでしょうが、今回がシリーズの最終巻となっています。
話としては一応、主人公の成長をきちんと描いての完結となってはいるものの、作品のバランスと言うところから考えるなら、せめてもう1冊は欲しかったところです。
更に、一番気になったのが、この第3巻に3姉妹の1人、雲雀の出番が一切無かったこと。
彼女が、物語的なところでの重要性が薄いポジションにいるキャラクターであることは否定できませんけれど、だからといって全く登場しないというのも、何だか収まりが悪いと思います。

ジャンルのメインストリームからは思い切り外れているけれども、この作風は結構好きなので、この作者には、(病名も分からないので、何とも言えないところではあるのですが)健康に気を使いつつ頑張ってほしいところです。

豚は飛んでもただの豚?3 (MF文庫J)豚は飛んでもただの豚? 3
(MF文庫J)

(2014/01/23)
涼木行
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