「限界集落株式会社」

 2014-01-02
「本館」更新に先駆ける読了本紹介、年が明けて早々ですが、2014年の第1弾をお送りします。

過疎化などで人口の50%以上が年齢65歳以上の高齢者となり、社会的な共同生活の維持が困難となった集落。
それが「限界集落」ですが、そんな限界集落の1つを再生させようと奮戦することになった主人公を描くのが、今回紹介する黒野伸一の『限界集落株式会社』です。

そこは娯楽小説ですから当然、その試みは少しずつ成果を上げていき、物語の中盤から終盤にかけての展開でお約束でもある大きな危機を迎えつつも、最終的には成功に向かって行くことになります。
それをして、現実はそんなにあっさりと上手く行くことなど無いだろうとか、この作品の舞台の場合は40代の働き手や小さな子供も村の中には残っている等々、条件的にはかなり恵まれている設定だからこそ成り立つ夢物語だ、という批判もあるでしょう。
しかしながら、娯楽小説という枠組みの中で書かれている作品である以上、読み手の心に何を届かせるのかという点からも、むしろ楽観的だろうが何だろうが、希望的な物語にするのが当たり前のことでしょう。

恋愛要素も嫌味にならない内容で入っていますし、文章的にも全体的に読みやすい作品であり、農業が主産業である日本の地方集落が抱える問題の概略を、エンターテインメント小説を通じ一定程度は学ぶこともできるという効用もあって、なかなか面白い作品でした。

限界集落株式会社 (小学館文庫)限界集落株式会社
(小学館文庫)

(2013/10/08)
黒野 伸一
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