「彼女の狂詩曲 穂瑞沙羅華の課外活動」

 2013-12-07
「本館」に先駆ける読了本紹介、今回は、機本伸司の『彼女の狂詩曲 穂瑞沙羅華の課外活動』を選んでみました。

「課外活動」シリーズも、これが3冊目。
デビュー作である『神様のパズル』から描かれ続けているヒロイン穂瑞沙羅華が少しずつ成長していく様が、ずっとシリーズを読んできている身には何だかちょっとばかり感慨深かったりもします。

といっても、もともと彼女は母親が精子バンクから買った遺伝子で人工授精により生まれたという出生の天才少女で、勉強的なことや社会的地位という意味では成長の余地はもともとあまり無かったりするようなもの。
なので、この場合の「成長」というのはどちらかというと「人間的な」成長、普通の人間関係を構築できるようになって普通の社会生活を営めるようになっていくという意味での成長、ということになります。

ストーリー的には本作は非常に単純な構造で、しかも物理学の理論的な説明(この作品がフィクションなこともあって架空のものも混じっていますが)に大きくウェイトを割いているところもあって、要約をしようとしたならば、かなり短く、数行でまとめてしまうことも可能です。
ただし、本作においては、この理論的なところとヒロインのキャラクター性が密接に関係しているので、理論を語ることは穂瑞沙羅華について語ることにも繋がるという側面が多分にあり、それはつまり、物理学の解説パートが不要かというとそんなことは無い、ということでもあります。
とはいえ、非常に理屈っぽいのは否定できないので、なかなか人には薦めづらいのも確か。

正直ここで書かれている理屈はほとんど雰囲気で読んでいて、私も、その半分も理解はしていないと言えます。
けれども、このシリーズ、それぞれの登場人物の人間関係やキャラクターが私は気に入っているので、実は結構好きだったりするのです。

なお、この表紙ですが、内容に全く関係が無いわけではなく、むしろ結構関係があるとも言えるものの、ここから連想されるであろうような話には本編はなっていないので、いわゆるジャケ買いは推奨できません。
表紙に騙された、と思うこと、必至ですから。

彼女の狂詩曲―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫 き 5-8)彼女の狂詩曲
穂瑞沙羅華の課外活動

(2013/05/15)
機本 伸司
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