「任務外作戦」

 2013-11-30
「本館」に先駆けて行う読了本の紹介、今回は、ロイス・マクマスター・ビジョルドの『任務外作戦』上下巻を選んでみました。

主にマイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンを主人公とする一連の人類が宇宙のあちこちに進出した未来世界を描くSFシリーズ、ヴォルコシガン・サガの16冊目と17冊目となる本作。
前々作『メモリー』が邦訳刊行された2006年から前作『ミラー衛星衝突』が同じように昨年に邦訳されるまでは6年もかかったので、今回も、まぁそこまでは行かないまでも、いざ発売となるまではしばらく待たされるのかなと心配していたら、結果的には約1年で無事に刊行となったのは、シリーズのファンとしては非常に嬉しいことでした。
と、言いながら、3月に発売されていた本作を実際に読むまでに半年以上の月日が流れたりもしているのですけれども、まぁ、そこはそれ。

さて、それで、肝心の本作ですけれど、扱われているのはバラヤー皇帝にしてマイルズの乳兄弟であるグレゴール帝の結婚式と、前作から始まるマイルズ自身の新しい恋の顛末を、2つのヴォル貴族家の後継者問題と絡めて描くもの。
作品の舞台はバラヤー首都のヴォルバール・サルターナからほとんど出ませんし、終始コメディータッチで進められるストーリーは、シリーズをここまで全て読んできた私のような読者にとっては程よく肩の力を抜いて楽しめるものとなっています。
星間政治や謀略の最前線で命を懸けて活動してきた面々が第一戦から一歩引いたところで日々の生活を送っている姿が垣間見えるのは、かなりのファンサービスともなっているのではないでしょうか。

ただし、下巻に収録された短編「冬の市の贈り物」も含め、これまでヴォルコシガン・サガを飾ってきた様々な人たちがさりげなく出演してくるので、シリーズ未読の人がいきなり本作から読み始めるのは、ちょっと無謀です。
ここまで冊数を重ねてきているシリーズだと、これから第1作から読み始めようという人もあまりいないのかもしれませんけれども、魅力的な登場人物達が多く登場する本当に面白いシリーズなので、ちょっとでも興味を惹かれることがあったなら、是非、一読してみることをお勧めします。

現時点で邦訳がされていないヴォルコシガン・サガは残り3作。ビジョルドのファンタジー作品の方は、つい先日出た『死者の短剣 地平線』上下巻(同社 同文庫)で未訳のものが無くなったはずですし、できれば、このペースで続々と刊行して行ってほしいものです。

任務外作戦 上 (創元SF文庫)任務外作戦 上
(創元SF文庫)

(2013/03/21)
ロイス・マクマスター・ビジョルド
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任務外作戦 下 (創元SF文庫)任務外作戦 下 (創元SF文庫)
(2013/03/21)
ロイス・マクマスター・ビジョルド
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