「第二音楽室」

 2013-11-01
「本館」更新に先行して今回紹介するのは、児童文学系の作品、佐藤多佳子の『第二音楽室』。

ここに収録されているのは、「学校と音楽」をモチーフにした連作短編全4編。
と、言っても、これ等の短編に相互の関連性があるわけでは無くて、あくまでそれぞれは個々に独立した作品です。
ただ、共通するテーマとして「音楽」、それも授業および課外活動を送る中での学校教育における「音楽」が掲げられているというわけ。

順に、アウトラインを書いてみましょう。

表題作でもある1作目は、小学校の鼓笛隊を舞台にして、校舎の屋上にある第二音楽室に集まった落ちこぼれ組の交流を描いています。
2作目は、中学校の音楽の授業で男女2人組による歌の実技テストが行われることになって、誰とペアになるかで揺れ動く心を描いた「デュエット」。
3作目は、音楽教師が音頭をとって結成された中学1年生男女4人組のリコーダーアンサンブルが、卒業式での演奏に向けて練習していく中で芽生えていく感情の動きを描く「FOUR」。
最後を飾るのは、中学時代を不登校で過ごした少女が高校になって入部した軽音楽部での、とあるできごとを描く「裸樹」となっています。

私としては、この中では、後半2篇が特に面白かったです。

女性作家が書いたものだからでしょうか、どれも主人公は多感な年ごろの少女で、かつ、その少女が語り手になっている1人称の作品となっています。
その為に、感情移入という点で、男である私にはどうしても入り込めない部分はありましたが、これは、特に10代に読んでほしい青春小説と言えるでしょう。

第二音楽室 (文春文庫)第二音楽室 (文春文庫)
(2013/05/10)
佐藤 多佳子
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