「パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から」

 2013-10-19
「本館」に先行しての読了本紹介、今回は、似鳥鶏のこの作品。

父の跡を継いで喫茶店を経営している兄と、警察を辞職して兄の下でパティシエとして働いている弟が、県警秘書室勤務(と、彼女を喫茶店に送り込んできた県警本部長)に協力して、捜査の手伝いをして事件を解決するという、似鳥鶏の『パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から』です。

昨今良くある、喫茶店だったりカフェだったり古本屋だったりの店主・店員が探偵役を担当するアームチェア・ディテクティブものですね。
なので書店で本作を見かけた時には、「流行に乗っておけ」というちょっとアレな2番煎じ(というか、3番煎じ、4番煎じでしょうけれども)な作品だなと感じ、スルーしようと思いました。
けれど、作者が似鳥鶏だったので、これは一応読んでおかなければいけないかな、と。

既に何人もが漁をした後の柳の下で泥鰌を探すような企画を出したのが、作者なのかそれとも編集者サイドからなのか分かりません。
けれど、やや食傷気味のネタで作品を書いてくる以上は、そこに自分なりの色をどの程度加えてくるのかがポイントとなるでしょう。

そういう視点から本作を見てみると、「喫茶店」に「パティシエ」、そしてそこはかとない恋愛要素を盛り込むなど、甘々にし得る要素を投入しつつも、(ネタバレを避けるために詳細は書きませんが)ほろ苦い読後感を持つエンディングにしたてているところが、おそらく似鳥鶏っぽいと言えるところになるでしょうか。

大筋において色々と無茶な部分も多かったりするのですけれども、そういった「無茶」について指摘してどうこうという作品では無いですね、これは。
現代日本を舞台にしているちょっとファンタジー的な日常系ミステリーだ、という解釈で、気にせずに読むのが正解かと。
そういう意識で大らかな気分になって読んだ方が、本作の面白さを堪能できるかと思います。

パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から (幻冬舎文庫)パティシエの秘密推理
お召し上がりは容疑者から
(幻冬舎文庫)

(2013/09/04)
似鳥 鶏
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